大好きなクルマ趣味の中身が変化……アラフォー&アラフィフのリアル (2/2ページ)

否が応でもやってくる友人との別れやクルマ趣味の終活

どう頑張っても買えないクルマがより明確になってくる

 欲しいクルマが何百万だろうと、何千万だろうとぜったいに諦めない。120回ローンを組んででもいつか必ず手に入れてみせる! そんな時代があったはず。もしかしたら無理かもしれないけれど、諦めないって大事です。諦めたらそこで終わってしまいますから。

 しかし、年齢を重ねるにつれ「嫌が応にも現実というものを突きつけられる」ようになってきます。結婚して、子どもがいればなおさらです。家族を差し置いて高価な趣味クルマを買うなんてもってのほか、家庭崩壊の原因にもなりかねません。

 もしかしたら将来手放すことになるかもしれないとしても、若いときに思い切って欲しいクルマを手に入れてみる。周囲から見れば無謀に思えるかもしれないけれど、アラフォー&アラフィフ世代になると周囲の環境がそれを許してくれない可能性もあります。試してみる価値はあると思いますよ!

コレクションを止め、断捨離&終活をはじめる

 自他ともに認めるコレクターがふとしたできごとをきっかけにある日突然、コレクションを止め、断捨離&終活をはじめる……。少し気が早いのでは? と思われるかもしれませんが「いつか必ず訪れるそのとき」が、急にリアルに思えてくる年代でもあります。

 同世代の友人や知人が突然この世を去り、自分自身が必死になって集めてきたコレクションの行方が気になったり……。本人にとっては宝物であっても、家族にとってはゴミ同然というケースも少なくありません。自宅には収まりきれず、実家の押し入れも満杯……なんてこと、ありませんか?

 あまりにも膨大すぎて自分ひとりでは到底対処できない。体力と気力があるうちに「集める→放出する」に方向転換し、家族に迷惑をかけないようにする。本人からすれば断腸の思いかもしれませんが、早めに動きはじめることでじっくりと「本当に残したいモノ」を見極める絶好のチャンスかもしれません。

気の置けないクルマ仲間との日常にありがたみを感じる

 いつもの時間にいつもの場所に行くと会える人たち。乗っているクルマと顔は知っているけれど名前はわからない。友だちといえるほど親しくはないけれど、いつもコーヒーを片手にとりとめのない話をして「じゃ、また」と別れる。それがある頃を境に姿を見せなくなり、風のうわさで体調を崩していることを聞きつけ、そしてこの世を去ったと知る……。来週になればまた会えるとだろうしと思っていた仲間を失ったときのなんともいえない喪失感。悲しいかな、そんなことが増えてきます。

 お互いにあえて深入りせず、かといってドライすぎる関係でもない。適度な距離感が心地良いと思ったら……。お見舞いに行こうにも連絡先すら交換していなかったなんてことにならないように、ひとまずLINEグループを作り、ゆるくつながっておくのもいいかもしれません。

まとめ:いつかは誰にでも訪れる「老い」という現実

 生きている以上、避けて通れない「老い」という現実。どこまでも抗うか、あるタイミングで現実として受け容れるかは人それぞれ。

 そして、この記事を読んでほくそ笑んでいるそこの20〜30代のアナタ! 10年後、あるいは20年後、それは確実に訪れる「老い」という名の未来です。他人事ではありません。いまから心の準備(予習?)をするのもありかも!?

 いっぽうで、年齢を重ねてきた分、知恵もついていますし、自分なりの「いい落としどころ」もわかっている。考えてみると悪いことばかりではなさそうです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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