トラックの荷台から荷物がはみ出してる! 収まりきってないけど違法じゃないの?

この記事をまとめると

■トラックに積む荷物の大きさには決まりがある

■トラックの積み荷に関する決まりは道路交通法施行令(22条3項・4項)に記載

■定められた範囲なら荷台からのはみ出しも可

積み荷の大きさや積載方法は道交法で規定

 公道を走っているトラックに追走していると、ときどき「最大積載量積めるだけ」「最大積載量会社次第」などといったジョークステッカーが貼られていることがあるが、これはあくまでジョーク。この最大積載量とは、トラックが積むことのできる荷物の「重さ」のことで、これを1kgでも超えると「過積載」になり、ドライバーだけでなく事業主(運送会社の代表)や荷主にまで罰則がかけられる重大な違反となる。

 こちらについては本サイト(ドライバーはもちろん事業者にも罰則あり! トラックの過積載は「懲役刑」の可能性もある重罪だった)でも詳しくリポートしているのでそちらをご覧いただくとして、ここではトラックが積載することのできる荷物の「大きさ」についてお話したい。

 トラックが積むことのできる荷物には、その重さだけでなく大きさも道路交通法施行令という法令でしっかり規定されている。道路交通法(第57条)では重さ(積載量)を規定。道路交通法施行令(22条3項・4項)では積み荷の大きさを規定しているわけだ。この道路交通法施行令が2022年5月に一部改正された。これは、物流業界の労働環境を改善すべく行われたもので、つまり2024年問題の解決策のひとつであるともいえる。

 道路交通法施行令では、積み荷の長さ、高さ、幅を規定。「長さ」は車両の全長のプラス20%まで、「高さ」は3.8m(軽四輪および3輪自動車は2.5mまで。4.1m指定道路は除く)まで、「幅」は車両の全幅のプラス20%までという限界値が定められている。いわゆる箱車やウイング車の場合、積み荷はボディ(荷室)のなかに収められるため、そもそも車両からはみ出すことはないが、平ボディ車は荷台からはみ出した積載も可能なため、こういった規定が定められているわけだ。ちなみに改正前の長さは車両全長のプラス10%まで、高さは同様となっていた。

 この限界値を超える積み荷を運ぶ場合は「制限外積載許可」が必要になってくる。この許可申請は出発地の警察署長に出すことになるが、これを出せば車体の幅プラス1m、左右の幅プラス0.5mまで積載することが可能になってくる。また、限界値を超える荷物を積むときは、荷物の後ろに30cm四方の赤い布を付けることも義務付けられている。トラックの仕事に関わっていない読者のみなさんも、引っ越しや大きな荷物を運ぶ際に平ボディの軽トラや小型トラックのレンタカーを借りることもあるかもしれない。以下にそのための必要書類も紹介しておこう。

・ 制限外積載申請書(同じものを2部)
・ 車検証の写し
・ 荷姿図(どのような荷物をどのように積むか図面にする)
・ 運転免許証
・ 特殊車両通行許可証(必要な場合)

 運転手が複数になる場合は、申請書は人数分×2となる。

 上記の「特殊車両通行許可証」は積載貨物状態で幅2.5mまたは長さ12mを超える場合に「特殊車両通行確認」とともに必要になる。この規定については同制度の「特車PRサイト」をご覧いただきたい。


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