性能だけなら群を抜いていたがまったく売れなかった! たった2年で消えた「ホンダ145」というファンでも知らない隠れ名車 (1/2ページ)

この記事をまとめると

ホンダ145はホンダ1300に対し排気量とエンジン冷却方式に変更を加えたモデルである

■同時期に誕生したシビックに世間の注目は集まり、145が注目されることはなかった

■ホンダ1300の後継車であるホンダ145は2年で生産終了になった

高性能が売りだったものの生まれた時期が悪かった

 ホンダ145は、ホンダの初代シビックと同じ時期に販売されていた小型車だ。販売は、1972~74年の2年間のみである。前身としてホンダ1300があり、その改良型といえる。ガソリンエンジンをそれまでの空冷から水冷に変更したのだ。

 それに合わせて、排気量を1300ccから1450ccへと拡大した。なので、車名をホンダ145という。

 ホンダ1300は、1968年に発表され、翌年から販売された。ホンダは、1967年に軽自動車のN360を発売し、これが人気を呼んでそれまでの2輪メーカーとしての名声に4輪メーカーとしての地位も手に入れることとなった。

 次いで発売されたのが、登録車となるホンダ1300だ。

 2輪車やN360などと同様に、ホンダ1300もレースを通じた高い技術力を背景とし、ガソリンエンジンはホンダF1で採用された強制空冷式を採り入れている。

 当然ながら性能は群を抜いて高く、最高出力はトヨタ・カローラや日産サニーを凌駕する100馬力超えであった。車体は4ドアセダンで発売され、続いて2ドアクーペも追加された。高性能エンジンによる加速は素晴らしく、ホンダ愛好者を魅了する一方、N360からホンダが採用する前輪駆動のため、操縦性は荒々しく手に余る一面もあった。

 強烈な個性を持ち、トヨタや日産という大メーカーと一線を画した小型車ではあったが、販売は必ずしも好調とはいえない状況があった。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
日産サクラ
趣味
乗馬、読書
好きな有名人
池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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