この記事をまとめると
■フルモデルチェンジを果たしたスバルの旗艦SUVであるフォレスターに公道で試乗
■快適性が底上げされており走破性を支えるX-MODEや高級感ある内装など機能性も充実
■ストロングハイブリッド仕様の追加で商品力も大幅に向上している
スバルの大人気SUVがフルモデルチェンジ
SUV市場の盛り上がりが激化するなか、スバル・フォレスターは「実用性」「走破性」「快適性」という3要素を武器に、北米を中心に世界中で高く評価されてきたスバルの旗艦モデルだ。
2025年モデルはデザインの刷新とともに、機能性を大幅にブラッシュアップ。ストロングハイブリッド仕様もラインアップするなど商品力を大幅に強化している。今回は、1.8リッター直噴ガソリンターボエンジンを搭載する主力モデルに一般道で試乗した。
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試乗車に搭載された1.8リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジン(CB18型)は、最高出力177馬力、最大トルク300Nmを誇る。注目すべきは1600rpmという低回転から立ち上がるトルク特性で、市街地走行では十分以上の動力性能といえるが、加えて静粛性が強化されているのが印象的だ。アイドリングストップが信号停止などで頻繁に作動するが、再始動時のノイズなど遮音性が高く、縦置きエンジンゆえに揺れも抑えられていて違和感を覚えない。
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それに組み合わされるトランスミッションはスバル独自のリニアトロニックCVTで、擬似ステップ変速機能を採用している。ロックアップ機能も作用し、エンジン回転数の上昇と車速のリンク感が自然で、違和感のない加減速を実現している。ステアリングのパドルを操作すればマニュアル感覚で擬似ステップ比を操ることができ、従来のCVT特性を忌み嫌う人たちにも受け入れられる好特性に仕上げられている。
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使用燃料はレギュラーガソリンで、燃費はWLTCモードで13.6km/L。実走行では、市街地メインで12km/L前後が確認できた。維持費と性能をバランスさせた堅実な設計がスバリストに支持されるゆえんだろう。
フォレスターの大きな強みは、「X-MODE」と呼ばれる走破性支援システムにある。これは、悪路や滑りやすい路面において、駆動力やブレーキ制御を最適化し、ドライバーの意図に忠実な挙動を引き出すものだ。
新型では、「SNOW・DIRT」「DEEP SNOW・MUD」の2モードを備えており、泥濘路や積雪路での脱出性能が大幅に強化されている。また、傾斜地でのヒルディセントコントロールも標準で備わり、最低地上高220mmという設定と合わせ、どこでも走れる安心感を手に入れられるのはスバルならではの美点だ。ただし、X-MODEの作動は20km/h以下の低速に限られ、都市部の市街地においては出番がない。
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さらに1.8リッターターボ車には、「I」(インテリジェント)/「S」(スポーツ)の2モードを備えるドライブモードセレクト機能であるSI-DRIVEが組み込まれており、従来どおりエンジン制御をドライバーの好みに応じて変化させることができる。市街地ではなめらかな走りで燃費重視の「I」、郊外や高速ではシャープな加速感が味わえる「S」を選ぶなど、使いわけによる走りの変化をはっきりと感じ取れるので、装備の実効性を確信できるわけだ。