上質で快適なインテリアに高級感ある走り
インテリアは質感が一段と向上し、ダッシュボードのソフトパッドや加飾パネルの配置にも高級感が感じられる。センターには11.6インチの縦型モニターを採用し、各種車両設定・ナビ・空調操作などを一括管理できる。タッチパネル方式で直感的な操作性を重視しているが、空調やシートヒーターのような頻繁に触れる操作系は物理スイッチのほうが好ましいところだ。
新型スバル・フォレスターのインテリア画像はこちら
一方で、後席は快適性が際立つ。背もたれは3段階にリクライニングが可能で、長距離でも姿勢を調整しやすい。フロアが低く、レッグスペースやヘッドクリアランスも十分で、大人4人が快適に乗れる設計がされている。中央にはエアコン吹き出し口、USB-C/Aポートのほかシートヒーターも備わり、寒冷地での快適性も確保されている。
新型スバル・フォレスターの後席装備画像はこちら
試乗車のルーフは広いパノラマガラスサンルーフ仕様で、明るく開放的なキャビンを演出しているが、試乗当日は強い直射日光による室内温度の上昇が大きく、シェードを閉めないとエアコンを「強」で作動させても熱気がこもりやすかったことは否めない。個人的には、近年のガラスパノラマサンルーフは重くて重心が高まり操縦性に影響するので避けたいところだ。
新型には進化した「アイサイト(Ver.4)」が搭載され、単眼カメラに加えて側方前面にミリ波レーダーを併用している。前走車、自転車、歩行者に対する認識精度が大幅に向上しているという。
新型スバル・フォレスターのフロントマスク画像はこちら
走行フィールは、足まわりのセッティングがしなやかで、重厚感のある乗り味であった。純正装着される225/55R18のオールシーズンタイヤはトレッドが硬く、路面の反力は強く感じるが、不快感としてキャビンに伝えない。全体的に遮音性が高く、静かで高級感のある乗り心地なのだ。ステアリングのレスポンスが若干甘く、とくにセンター付近は応答性がマイルドな、トーインをゼロに設定して転がり抵抗を軽減しているクルマ特有の印象を受けた。
新型スバル・フォレスターの走り画像はこちら
エンジンは縦置きだが、水平対向エンジンは横幅があるので、最小回転半径はあまり小さくない。だが、操舵が軽いので取りまわし性がよく感じられる。220mmの最低地上高はサスペンションメンバーの車体取り付け部にスペーサーを入れて稼いでいるようで、そのためかステアリングのキャスターアクションが小さいことも、直進性や操舵フィールに影響しているのかもしれない。
全体的にまとめると、使いやすく、よく走り、どんな道にも対応し、安心して人を乗せられる。フォレスターは単なる移動の道具ではなく、生活と冒険の間を自在に行き来できるクロスオーバーとしてひとつの完成形だ。デザインの演出もクロスカントリーを意識していて人気が出そうだ。
中谷明彦さんと新型スバル・フォレスター画像はこちら
これまでスバルのハイブリッドといえば「e-BOXER」と呼ばれるマイルドなモーターアシスト方式だったが、2025年モデルでは待望のストロングハイブリッド仕様が投入される。スバルとトヨタの協業によって開発されたこのシステムは、2.5リッター水平対向エンジンに駆動モーターとバッテリーを組み合わせた本格的な電動ユニットで、EV走行域が広く、燃費は1.8リッターターボを大きく上まわる。
ガソリンターボもストロングハイブリッドも、63リッター容量の燃料タンクを搭載しておりワンタンク航続距離が長く取れることも、長距離を走るユーザーには歓迎されるだろう。
