さすがに令和だし……と思ったらまだ生き残ってる! 中国名物「パクリカー」は健在だった (2/2ページ)

聞いたこともないメーカーの名前も知らないコピー車

 それではコピー車はなくなったのかというとそうでもない。2025年4月末から5月上旬に開催された上海モーターショー(上海国際汽車工業展覧会)会場でも、そっくりそのままというレベルとまではいかなくとも、エッセンスをちょうだいし”程度のものを感じる展示車には出会うことができた。

 まずは、さんざん会場内を歩きまわった夕方遅く出会ったのが、奇瑞汽車の「風雲A8L」である。車名自体も聞いたことがあるのだが、実車を見たときはかなり歩き疲れていたこともあり、「ここってアウディブース」と錯覚してしまった。シングルフレームグリル風のフロントグリルだけならまだしも、ヘッドライトも含めた顔つき全体はまさにアウディを感じずにはいられなかった。グリルセンターにフォーリングスをつければ、中国限定のアウディ車といわれても妙に納得してしまうだろう。

 ここまであれっと思うモデルは筆者の記憶では風雲A8Lぐらいであったが、中国にはショーに出てこないようなメーカーが全土に無数にあるので、まだまだコピー車というものは注意深く探せば結構いそうである。

 日本の軽自動車をオマージュしたようなモデルも数多く展示されていた。背が高くスライドドアを採用したモデルなどは、日本の軽自動車からヒントをもらっているのではないかと考えてしまう。

 ボディサイズこそ日本の軽自動車規格ではないものの、ジムニーのような存在感を見せるオフロードSUVスタイルのBEVもいたるところで見かけた。

 拡大解釈すれば、高級商務車とも呼ばれる大型のラグジュアリーミニバンは、いまや多くの中国メーカーでラインアップしているが、これもトヨタ・アルファードからヒントを得ていることは否定できないはずだ。

 北京汽車ブースに行くと、北京汽車系の「極狐汽車(ARCFOX)」の「考拉(カオラ)」というモデルが置いてあった。少々背の高いコンパクトモデルで、リヤドアがスライド式となっていた。最初はトヨタ・シエンタに近いのかと思ったのだが、2列シートとなっていたのでトヨタ・ルーミーやスズキ・ソリオからヒントを得たのではないかと考えられる。、当該WEBサイトをみると、ママのクルマ的なコンセプトで構成されていた。このように、意外なほど日本車からヒントを得ているのかなという印象も受けるモデルを見かけた。

 前出した風雲A8Lはかなりやっちゃった感はあるものの、やはり同じ東アジアという地域で生活しているだけに、日本で人気の高い日本車のコンセプトは中国でもイケると考えているのかもしれない。

 政治体制こそ違うが、日本よりはるかに速いペースで少子高齢化が進んでいるともいわれている中国なので、自国のクルマ文化の今後を考えると、日本にヒントがあると考えているのかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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