アジアでも超特殊なベトナムのクルマ事情! 絶好調の中国車が弱く「ビンファスト」の存在感がスゴイ (2/2ページ)

ベトナムでBEVを売るのは厳しいか

 タクシーやライドシェア、路線バスなどのフリート販売を見ても、BEVバスもBEVタクシーもビンファストとなっており、ライドシェアでもビンファスト車となっている。BEVではないものの、MGのICEセダンとなるMG5はライドシェアで活躍しているようであった。ベトナムは電動スクーターから大型路線バスまで、BEVなら自国ブランドのビンファストとなるので、その点では存在感を見せられないでいるのかもしれない。

 ハノイ市内での充電インフラ整備は、意外なほど進んでいるものの、ベトナム全土で見ればまだまだ不十分なことは否めない。新車販売のほとんどがICE車となる市場なので、当然ICE車で勝負となるのだが、そうなると日本車はもちろん、ベトナムでひときわ存在感を見せる韓国系ブランドとも差別化も難しくなってしまっている。

 クルマがまだまだ贅沢品の域を抜け出していないほどの販売台数レベルとなるベトナムでは、ステータスで四輪車に乗るということも多くなるだろうから、結論として日本車が選ばれるのかもしれない。ただ、ステータスといっても、旧市街を中心に道路が狭かったりするので、トヨタでいえばヤリスクロス、そのほか三菱のエクスパンダーやエクスフォースなど、コンパクトなモデルがよく売れることになるようだ。

 ベトナムも当然ながら、そのスピードは別としてもいずれゼロエミッション車の普及というものに取り組んでいくことになるだろう。ある程度BEVへ新車販売の需要がシフトした段階で、この分野で頭ひとつ抜けている中国車がどのような戦略を打ってくるのか、もちろん日本車もゼロエミッション車のラインアップは拡大していくことになるだろう。

 地元ビンファストもあるなか、ベトナムのゼロエミッション車の今後の売れ方は非常に興味深いものとなるかもしれない。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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