伝説の名を受け継ぐ「赤い頭」が復活! 世界初公開からわずか2週間でフェラーリ849テスタロッサが日本上陸 (2/2ページ)

1970年代スポーツプロトタイプカーをオマージュしたスタイリング

 フラヴィオ・マンゾーニが率いるフェラーリ・スタイリング・センターによってデザインされたボディは、1970年代のスポーツプロトタイプカーにインスピレーションを得たものとされるが、同時に航空機のスタイルからも大きな影響を受けている。

 フロントノーズはさらにシャープな印象が強くなり、バンパーの下にはボディカラーの大型スポイラーとブラックのスプリッターが備わり、それは849テスタロッサが発揮する優秀なエアロダイナミクスを想像させる。リヤフェンダーの後端のツインテールとエンジンフードのイメージは、まさにかつての512Mを想起させるものだ。

 左右のドアの上部はエアダクトの機能を兼ねたデザインとなっており、それに続くサイドエアインテークもまたサイドビューをスポーティに引き締める。

 インテリアはシングルシーターのコクピットをイメージしたデザインで、その機能性の高さは視覚的にも十分に理解できるところ。今回、フェラーリはステアリングホイール上に、より操作性に優れる物理スイッチを配置しているが、これもまた849テスタロッサのカスタマーからは高く評価されることは間違いないだろう。シートはコンフォートシートとレーシングシートの2タイプを用意する。

 849テスタロッサには、基本となるクーペのほかにRHT(リトラクタブルハードトップ)を用いたスパイダーもラインアップされるが、さらにより走りにフォーカスしたアセット・フィオラノ仕様が設定されているのも見逃せないところだ。こちらには標準シートよりも18kgも軽量なチューブラーシートが装備されるほか、カーボンファイバー製ホイールなどが採用され、車両総重量は約30kgを削減。加えて専用のエアロデバイスの採用や、サスペンション・セッティングの見直し、そしてこちらもアセット・フィオラノ仕様のために特別に開発されたミシュラン製タイヤを装着するなど、そのメニューは実に魅力的だ。

 0-100km/hを2.3秒、0-200km/hでは6.35秒という加速性能を誇り、最高速では330km/hを誇る849テスタロッサ。フィオラノ・サーキットで記録されたラップタイムの1分17秒500は、前作SF90ストラダーレをベースに、その運動性能を極限にまで高めた限定車、「SF90XXストラダーレ」の記録にわずか0.191秒差に迫るもの。それはまさに驚異のスーパースポーツなのである。


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山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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