デリカD:5が「S-AWC」搭載でコーナリングも気持ちよくなった! ランエボXから受け継ぐ伝家の宝刀で向かうところ敵なし【ジャパンモビリティショー2025】 (2/2ページ)

S-AWCを使うと運転が楽しくなる

 そんなS-AWCがはじめて登場したのは、2007年のランサーエボリューションXからだ。あれから18年、S-AWCはどう進化し、MPV車用にどうアレンジされたのか。

「S-AWCは当初、ランエボ用により速く走るための技術として実用化しました。速く走ることを追求すると、4つのタイヤを上手く使うことが必須となるわけですが、それは必然的に安心、安全、快適にも直結していきます。したがって、基本的な制御のコンセプトやロジックは、じつはエボXから変わっていません。
ハード面では、AYC、ACD、ブレーキAYCまでエボXに投入しましたが、デリカD:5にはAYCまでは不要と判断しました。ただ、ハードウェアは変わっても、制御理論の基礎は同じで、ハードの違いにあわせて動かすところのロジックだけチューニングした感じです」

 18年前にデビューしたエボXのに採用されたシステムが、いまだにほぼ仕組みを変えずに現役とは恐れ入る。逆にいえば、現代でも通用する技術を生み出していた、三菱の技術力の高さを感じさせる解説だ。

 澤瀬フェローは続けて、「新型デリカD:5に採用したS-AWCの効果は、誰でもすぐに体感してもらえると自負しています。とくにフラットダートや雪道を走るとわかりやすいですね。新型デリカD:5で走ると、ハンドルを切ったときに、いままで以上にスッと自然に曲がりはじめるので。これはすごく進化したしたところで、雪道であることを忘れてしまうぐらい気持ちいいコーナリングがはじまり、しかもトラクションがちゃんとかかっているんです。悪路走破性は従来のデリカD:5の性能をキープしたままなので、レジャーユースで林道を走ったり、スキーで雪道に行くようなユーザーには、とくにメリットが感じられることでしょう。もちろん雨の日や晴れた日の移動でも、違いはおわかりいただけると思います。モードを切り替えるダイヤルも。わかりやすくて使いやすくなるよう改良しました」

 最後に少し意地悪な質問もしてみた。

「『FOREVER ADVENTURE』、つまり冒険には、ワクワク、ドキドキがセットなイメージですが、冒険らしい手に汗握るシチュエーションと、安心、安全、快適の追求は逆な気がするんですが、果たして並び立つものなんですか?」

「ドキドキはリスクと隣り合わせなので、技術開発を進めるうえで是とすることはできませんが、ワクワクは大事なキーワードとしています。安心、安全、快適が増すことで、自信が得られます。自分でもできる、成長したな、という実感があれば、もう一歩先に踏み出してみようとポジティブになれるかと。この『もう一歩先』を狙うことって、ワクワクするじゃないですか? それを誘うのが三菱のクルマで、そここそがS-AWCでやりたかったところです。もともと優れたシャシーを持っていたデリカD:5は、ハード面でなにか付け加える必要がなく、ソフト面の改良だけでS-AWCを取り入れることができたのもポイントです。コストに大きく影響することなく、S-AWCの入ったデリカD:5に進化したのは、コストパフォーマンス的には、かなりお買い得といえるので、大いに期待してください!」

 このように澤瀬フェローが太鼓判を押す新型デリカD:5。モビリティショープレスデー初日の翌日、10月30日から予約注文の受付が開始になったことも、ニュースとしてお伝えしておこう。


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藤田竜太 FUJITA RYUTA

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