この記事をまとめると
■ウーブン・シティはトヨタが静岡県裾野市に作った実証都市だ
■2020年に構想が明かされ2025年9月にウーブンシティが稼働を始めた
■ウーブン・シティには特殊な雰囲気はなく洒落た街といった感じの印象だ
稼働を始めたウーブン・シティ
トヨタ・ウーブン・シティをご存じだろうか。静岡県裾野市にトヨタが作った実証都市のことだ。
トヨタの実証実験街のウーブン・シティ画像はこちら
時計の針を戻すと、ウーブン・シティの存在が明らかになったのは2020年1月の米CESだ。CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)はIT及び家電の世界最大級見本市である。2010年代に入ってからCESには欧米日韓の自動車メーカーや自動車部品メーカーが出展するようになり、それに合わせてEV、自動運転、ロボット技術などを世界初公開してきた。
そうしたなかで、トヨタ・ウーブン・シティの発表は異質だった。自動車産業からモビリティビジネスへの転換を、実際に住民がいる「街のかたち」で実験してしまおうというのだから。
トヨタの実証実験街のウーブン・シティ画像はこちら
世界中の自動車メーカーが手をつけることをためらう大規模で大胆な発想であるため、ウーブン・シティはあくまでも構想だけで実現は不可能ではないかという声が自動車産業界にあった。
ところが、トヨタの意向は変わらず、2025年9月にウーブン・シティが稼働した。
筆者はトヨタが実施した報道陣向けウーブン・シティ説明会に参加している。正直な感想をいえば、現場での実感はそれまで報道されてきたイメージとはかなり違っていた。特殊な街という雰囲気ではなく、洒落た高級マンション群といった感じだからだ。
トヨタはウーブン・シティを「モビリティのテストコース」と呼ぶが、けっしてテストコースのなかに人が住んでいるわけではないし、街なかを目新しいモビリティが走りまわっていることもない。自動運転走行する「e-Palette」、立乗り式の小型モビリティ、「bZ4X」を自動誘導するロボットなどの実物を現地で見たが、そうしたモビリティは「人」の生活を支えるツールのひとつに過ぎない。ウーブン・シティの主役が「人」であることを、ウーブン・シティのなかに身を置いてみて実感できる。
トヨタの実証実験街のウーブン・シティを走るbZ4X画像はこちら
そんなウーブン・シティでは、さまざまな実証を行う企業やアーティストを「インベンターズ」と呼ぶ。フェイズ1(第1次実施地域)では、トヨタグループ以外から日清食品、ダイドードリンコ、ダイキン工業、増進会ホールディングス(Z会)、UCCジャパン、共立製薬、インターステラテクノロジズ、ナオト・インティライミ氏が参加している。
こうした住民サービスを使う居住者や訪問者が「ウィーバーズ」だ。フェイズ1での居住予定者数は約300人であるが、その詳細について個人情報保護の観点などからトヨタは現時点で明らかにしていない。もしかするとフェイズ2以降には、ウィーバーズを一般公募するかもしれない。
あらゆるモノやサービスにつながる実証都市。トヨタ・ウーブン・シティの進化を大いに期待したい。