BYDがさらに躍進するには北米市場への進出がカギ! トヨタとVWグループを脅かす日はくるのか? (2/2ページ)

中国メーカーの行方を左右するのはアメリカ市場

 さらにフォルクスワーゲンは東南アジア市場では全体的に販売苦戦傾向が顕在化している、というより極端に存在感が薄いのである。インドネシアではフォルクスワーゲンがID.Buzzをラインアップしたものの、価格の高いBEVであるし、そもそも過去のタイプ2へのノスタルジーは消費者の間にほとんどないなどと、なぜインドネシアでラインアップするのかを不思議がる声も聞かれた。

 タイやベトナム、マレーシアそしてインドなども訪れたことがあるが、フォルクスワーゲンは存在感が薄い。そのかわり中南米は得意なのだろうが、カナダを含む北米市場では若い人がついてこないオールドブランド化しており、北米でも苦戦傾向は否めない。トヨタとの200万台弱の販売台数差は、トヨタに比べるとフォルクスワーゲンは苦手な市場があることが影響しているといえよう。

 かわりに注目するのは中国系ブランドとなるだろう。

 トランプ政権のうちは、正面突破で中国系ブランド乗用BEVが、アメリカ国内で販売されることはまずないだろう。ただ、トランプ政権の後継政権が民主党政権になれば様相が一変するのは間違いない。メキシコ国内では多くの中国系ブランド車がラインアップされ、カナダ政府も中国製BEVの輸入緩和も含む貿易協定を中国と締結している。アメリカ進出はいつでもOKといった状況となっているのだが、BYDがメキシコに工場を建設しようとしたら、中国政府から機密情報の漏洩(アメリカ側へ)を懸念してストップがかかったといった話も聞いている。

 アメリカ市場が中国車に開放されればBYDがかなり世界販売台数を伸ばすのではとも考えるのだが、全米平均ガソリン価格は本稿執筆時点で1ガロンあたり2.881ドル(1リットルあたり約118円)となっている。アメリカのなかでもBEV普及に熱心なカリフォルニアでは1ガロン当たり4.246ドル(1リットルあたり約174円)と日本より高めとなっているものの、HEVという存在に目覚めてしまったので、カリフォルニア州でもよほど地球にやさしい生活を意識する人以外、BEVは注目されにくいような気もする。

 ただ2035年からのICE(内燃機関)新車販売禁止を、カリフォルニア州政府はいまだに撤回する姿勢は見せていない。仮にこのままICE車が買えなくなれば、いま一般的ともいえる価格帯のBEVは韓国系ブランドが担っているケースが目立つので、同価格帯で中国系BEVが入れば、韓国系BEVはとりあえず相当な痛手を受けるのではないかと見ている。

 中国系だからといって、必ずしもBEVメインでくるとも思えない。PHEV(プラグインハイブリッド)もさまざまな中国系ブランドで積極的にラインアップしている。いますぐ世界一売れているトヨタの脅威になるとは思えないが、中国メーカーは気になる存在ということでは変わらないだろう。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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