ちょんまげと前後バンパーだけでベース車の4倍の価格の5000万円なり! NSX-R GTが1台しか売れなかったのも納得!! (2/2ページ)

この金額でも赤字スレスレ

 そしてこの「NSX-R GT」を象徴するパーツが、ファンの間で「ちょんまげ」と呼ばれる、ルーフ部にそびえ立つ巨大なダクトだ。しかしこれ、残念ながら穴が空いているだけのダミーで、エンジンルームまで貫通していない。このパーツの目的は、ホモロゲーションを得るためであり、実際にレース車両ではラム圧を高めて吸気効率を稼ぐためのパーツとして大活躍した。

 この「ちょんまげ」が「NSX-R GT」にないと、「ホモロゲーション車両にないパーツじゃないか!」と車検で突っ込まれ、車両規定違反となってしまう。よって、ホンダ的には極めて重要なパーツであった。なおこちら、純正オプションパーツとして当時85万円ほどで販売されていた。もちろんそのままつけただけでは機能しない飾りでこの額なのでろくに売れず、いまでは激レアパーツとしてプレミア価格で取引されているそうだ(サードパーティ製も存在する)。

※画像は他車両に使用された同一のパーツ

 なおこの「NSX-R GT」だが、エクステリア以外は通常のNSX-Rとまったく同じ。特別速いとか、よく曲がるとかはないそう。ただし、GTマシン譲りの専用のカーボン製バンパーとディフューザーによる空力特性はかなりのもので、走らせると通常のNSX-Rとは別物とのことなので、サーキットによっては、1秒ないし2秒くらいはタイムが変わるかもしれない(!?)。

 さて、この「NSX-R GT」であるが、先ほど「1台しか売れなかった」と記述したがそれはなぜか。その理由は価格にある。例に挙げたフェアレディZ TypeE、こちらもエンジンなどはまったく手付かずで、ガワだけGT車両にしてベース車に約+300万円の650万円で販売されていたのに対し、この「NSX-R GT」は、なんと5000万円というプライスであったのだ! その価格、ベース車比でなんと4倍以上。

 ベースのNSX-Rが約1200万円だったので、驚異の+3800万円となっている。しかし、その価格は主に前後バンパーとダクト、ちょんまげ分である。期間限定受注で限定5台の販売であったが、この中身に対してこのプライス、1台しか売れなかったのも納得だ。

 しかし、ホンダの関係者曰く「この額でも赤字かも……」という世界だというのだから、クルマは恐ろしい。余談だが、フェアレディZ TypeEも受注期間の1カ月で7台しか売れなかったとのこと。こちらもバンパーの金型代を考慮すると赤字だったらしい(それを補うために同じ外観でエンジンや足まわりにチューニングを施したお買い得なNISMOモデルが作られた)。

 この「NSX-R GT」は当時、大手美容・健康食品系企業を率いるクルマ好きな社長が買ったといわれており、街を走っている光景を見たという報告も散見された。現在は国内で高級車やスーパーカー、レーシングカーなどを扱う自動車系ディーラーが保有しているそうだ。

 1台しか存在しない幻のNSX、もし見る機会があればその圧倒的オーラを目に焼き付けてほしい。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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