最近じゃ珍しいレースの知見をそのまま市販車にフィードバックする取り組み! S耐のシビックタイプR「HRCパーツ」は市販される可能性大!! (2/2ページ)

進化したHRCシビックタイプRの可変式リヤウイング

──このリヤウイングが登場したのは昨年の岡山からだと思いますが、今回の鈴鹿までの間にアップデートしていたりするんでしょうか?

清松氏:岡山では可変式のリヤウイングを装着していたんですけど、我々が想定していた角度調整幅とチーム側の使用したい調整幅にズレがありました。同時に岡山では真ん中と左右の翼端を分割で調整できるようにしていたんですけど、機構が複雑になっていたこともあって、それらの意見をフィードバックして、今回は一体物にしつつ、調整幅も変えてきました。

──おおっ、仕事が早いですね!

清松氏:今回は調整幅を増やしているので、増やした領域もテストして頂いています。予選と決勝のロングランを可変でうまく使いわけていただいているので、そのデータをフィードバックしてブラッシュアップしていきたいと思います。

──シビックタイプRのユーザーにとっては気になるところだと思いますが、そうやって開発を重ねていった先に一般道路を走行できる市販パーツができるんですよね? いまはリヤウイングですが、前後のバンパーなども作るんでしょうか?

清松氏:どのタイミングで、どの領域をやっていくのか……ということを申し上げる状態にはないですし、量産パーツとしては制約も異なるので、直接的に同じ形状でフィードバックできるものとそうでないものもありますが、性能の出し方など、プロセスをうまく量産に繋げていきたいと思います。

──ちなみにホンダアクセスとして、これまでチームに帯同して、サーキットでデータ収集を行っていたことはあったんでしょうか?

清松氏:ずいぶん前、FD2(シビックタイプR)に我々のブランドであるModuloの市販パーツを付けてスーパー耐久に参戦して開発にフィードバックしていたこともありました。とはいえ、基本的に我々はストリートの用品を開発してきたので、レースという現場からは遠ざかっていました。レースのなかで性能を突き詰めていく……という部分では、ホンダアクセスとしては久々の活動となります。そういった意味では技術開発と同時に人材育成にも重きを置いて、この活動に参画させて頂いています。

──人を育てるという部分でも、スーパー耐久のST-Qクラスは最適なんですね。

清松氏:開発のスピード感がまったく違いますし、ドライバーからのフィードバックはエンジニアとしても刺激になりますからね。レースは物の見方を広げることができる活動だと改めて思います。

──確かにリヤウイングも昨年の岡山から、わずか6カ月でアップデートしましたもんね。

清松氏:量産パーツだと年単位で開発するのが一般的ですからね。そのぶん、大変な部分もありますし、プレッシャーもありますが、やり甲斐があります。

 以上、簡単にホンダアクセスのエンジニア、清松氏のインタビューをまとめたが、HRCとホンダアクセスは、量産かつ市販化を前提にパーツ開発を実施。完成度の高いアフターパーツの登場が期待されるだけに、今後もスーパー耐久ではTeam HRCの271号車「CIVIC TYPE R HRC Concept」の動向に注目したい。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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