そりゃバカ売れして当然のデキ! いまアルヴェルを抜いてヴォクシーが売れまくっている納得の理由 (2/2ページ)

マイナーチェンジ直前も好調だったノアヴォクの新車販売

 実用機能の充実ぶりも目を見張るものがあった。スライドドアにはレクサスNXから新搭載された降車アシストが備わり、停車中、車内からスライドドアを開けようとした際、常に後方を監視しているBSM(ブラインドスポットモニター)によって後方から接近する自転車や車両を検知。ブザーと音声による注意喚起に加え、スライドドアのオープンを途中で停止させ、安全を確保。この機能は、じつはフロントドアにもあり、不用意に開けようとすると、アラームで注意喚起してくれるのだから、安心・安全だ。

 現行ノア&ヴォクシーはミニバンの特等席である2列目席も優秀だ。先代もリラックスキャプテンシートによるロングスライドが可能だったのだが、後方にロングスライドさせるとシート外側とリヤホイールハウスが干渉し、左右のシートを内側に中寄せスライドさせる必要があった(2席が接近する)。が、現行型では、2列目キャプテンシートのリクライナーを内側に寄せた設計とし、中寄せスライドなしにストレート超ロングスライドを可能にした結果、両席が独立したまま、超ロングスライド時でもUSBソケットをふたつ完備した折り畳み式テーブルが使え、また2-3列目席スルー(車内移動)が可能となるメリットをもたらしている。

 なお、身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で、2列目リラックスキャプテンシートを最後端までスライドさせたときの膝まわりスペースは、実測で先代と同じ、足がゆったり組めるどころじゃない広さの600mmに達する。合わせて、3列目席の格納もワンタッチで行えるから便利すぎる。

 バックドアの操作性もピカイチだ。ボックス型ミニバンのウィークポイントのひとつが、縦開きの巨大なバックドアを全開にする際、車体後方に約1mものスペースが必要になるのだが、ノア&ヴォクシーの場合、任意の位置で止められるパワーバックドアじゃないほうの手動バックドアでもからくりのフリーストップバックドア機構によって任意の位置で固定でき、車体背後にスペースのない場所でも荷物の出し入れは容易。

 さらに、パワーバックドアではスイッチが車体側面にあり、パワーでドアを開ける操作をした際、バックドアが身体に当たることを防げるアイディアまで盛り込まれているのだから、使い勝手は文句なしといっていい。

 先進運転支援機能をトヨタ最新、最先端のものにいきなりアップデート。歩行者の横断、飛び出しを先読みしてステアリングとブレーキ操作をサポートするリスク先読み機能や、ライバルにないレーダークルーズコントロール=ACCを使っていないときでもカメラで先行車やカーブを認識して作動する先行車&カーブ減速支援機能のプロアクティブドライビングアシストまで搭載。トヨタ最新のアドバンストドライブから、スマホでノア&ヴォクシーをラジコンのようにも扱える先進の駐車支援システム、車内Wi-Fiなどをフル搭載。

 つまり、ライバルを青ざめさせるに十分といっていい内容で登場したのである。そうした商品力がノア&ヴォクシーの人気に直結しているに違いない。

 ここまでのノア&ヴォクシーの内容だけでも、Mクラスボックス型ミニバン選びでライバルを退けるに足りるかも知れないのだが、2025年9月の一部改良が、いまに至るノア&ヴォクシー人気、爆売れ状態を加速させていることは間違いない。その大きな理由が、それまではメーカーオプション扱いだった装備が標準装着されるようになったこと。

 ノア&ヴォクシーのS-Z、S-Gについては、ETC2.0ユニット、ブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)、先ほど触れた安心降車アシスト(ドアオープン制御付き)。ノア&ヴォクシーのS-Zではディスプレイオーディオ、バックガイドモニター、ノアのXではスマートエントリー&スマートシステム(ガソリン車)、ワンタッチスイッチ付きパワースライドドア(助手席側)が標準装備となったのだ。さらに、ノア&ヴォクシーのS-Z(ハイブリッド車)に標準装備されるAC100V/1500Wコンセントに外部給電アタッチメントが追加されるなど、装備の充実度が大幅にアップしているのである。

 最大26万円の価格アップも、納得できる人は納得できる内容といっていい。

 2025年9月に一部改良したばかりだというのに、5月にも一部改良を実施したノア&ヴォクシー。エクステリアデザイン、ディスプレイまわりの変更とともに、ガソリン車を廃止。売れ筋の2モーターのストロングハイブリッドのみとなる。加えて、納期短縮のために増産の秘策(すでにノア&ヴォクシーを生産している台湾工場生産車から一部グレード? 秋から?)もあるというのだから、ノア&ヴォクシーの爆売れ状態はさらに加速しそうだ。

 もちろん、2025年9月に続き、価格アップは避けられないはずだが、それでもアルファードに比べれば依然、絶妙なボディサイズを含め、商品力に隙はなく、なおかつお手頃だ。セレナ、ステップワゴンはいままで以上にウカウカしていられない……。


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青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2026-2027日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

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