高額修理につながる可能性も
ちなみに、バイク用のオイル規格はMA1/MA2とMBとわかれている。MAとついているのは、ここまで述べてきたトランスミッションオイルを兼ねたタイプで、シンプルにいうとMA2のほうが大きなトルクを発する大排気量モデルに向いているタイプ。MBはスクーターなどを対象としたタイプで, トランスミッション保護性能に縛られない設計のオイルといえる。
原付スクーター画像はこちら
こういうと、MB規格のバイク用オイルであれば、四輪のエンジンに入れても問題ないように思えるかもしれない。MBオイルは安価に手に入ることもあるからだ。
しかし、ここで深掘りすべきはバイク用オイルが使っている添加剤のなかには、触媒(キャタライザー)への攻撃性が強いリン成分が四輪用エンジンオイルより多量に含まれている傾向があるという点だ。
エンジンオイルというのは正常時でも少量ずつ燃焼、排気に含まれて排出される。その際に、当然ながらキャタライザーを通過するわけだが、リン成分が燃焼すると三元触媒の表面に付着・堆積することがある。これによる浄化性能の低下は「被毒劣化」と呼ばれ、基本的には回復不能な永久被毒となってしまうのだ。
自動車の触媒画像はこちら
つまり、クルマのエンジンにバイク用オイルを入れることは環境性能を劣化させる可能性が高く、最悪のケースでは触媒交換という高価な修理代が必要になることもある。そうしたリスクを冒してまで、あえてバイク用オイルを使うメリットはない。
古くからのバイクファンのなかでは「バイクに四輪用エンジンオイルを入れても壊れないよ」と発言する人もいる。ある時代においてはそれが事実だったことは否定しないが、いまどきの四輪エンジンにバイク用オイルを入れることは百害あって一利なしと捉えるべきだ。メーカー指定の粘度や規格のエンジンオイルを使っているほうが、何十倍も安心だ。