キーに電池がなくてもクルマは動く
<いざというときの具体的な対処法>
まず試してほしいのが、スマートキーを直接ドアハンドルや車両のキーシリンダー付近にかざすことだ。電池残量が極端に少ない場合でも、近距離であれば通信できることもある。またスマートキーには、緊急用のメカニカルキー(物理的な鍵)が内蔵されている機種がほとんどだ。スマートキー本体のリリースボタンを押すと、内部から金属製のキーを取り出すことができ、これをドアのキーシリンダーに差し込んで手動でドアを開錠できる。
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エンジンをかけられない場合はどうか。多くの車種では、スマートキー自体をエンジンスタートボタンに密着させた状態でボタンを押すと、電池切れの状態でもエンジンを始動できる仕組みが採用されている。これはキーと車両間の近距離低周波通信(LF通信)を利用した方式によるものである。ただし車種によって操作手順が異なるため、事前に取扱説明書で確認しておくことを強く勧める。
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電池交換は比較的容易で、コインなどでスマートキーの裏蓋を開け、規格に合った電池に交換するだけですむ。交換用電池はカー用品店やコンビニエンスストアでも入手可能なため、いざというときに備えて1個携行しておくのも有効だ。
<EVや最新車種における注意点>
現在、スマートフォンをデジタルキーとして使用する「デジタルキー」対応車種が急速に普及しつつある。BluetoothやUWB(Ultra Wide Band)を使った通信によって、物理的なスマートキーなしでも車両の施解錠や始動が可能となるシステムだ。しかしこの場合、スマートフォンのバッテリーが切れるとアクセス手段を失うリスクがある。多くのメーカーはNFCによる非常解錠機能や、物理キー・カードキーなどのバックアップ手段を用意しているが、事前に把握しておかなければ緊急時には役立たない。
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またEVでは、長期間駐車した際に補機バッテリーが自然放電してしまうケースがある。これはEVでは定期的な充電が行われないと補機バッテリーが維持されないためで、とくに寒冷地や長期出張・旅行時の空港駐車場などでは注意が必要だ。補機バッテリーが完全放電した場合は、ジャンプスタートや充電での対応が必要となるため、状況によってはロードサービスへの連絡が現実的な選択肢となる。
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スマートキーのトラブルの多くは、冷静に原因を切りわけることで自己解決できる。しかし原因が特定できない場合や、対処後も症状が改善しない場合は、無理に操作を繰り返さず、販売店やロードサービスに相談することが賢明だ。
いずれにせよ、万が一に備えてスマートキーが使えなくなったときのエンジン始動手順を、平常時に一度確認しておくことを強く勧めたい。キーを誤って車内に閉じ込めてしまったり、紛失したりした場合には、JAFのロードサービスを利用するのが確実だ。どんなに便利な装備でも、電動化が進むいま、その仕組みを理解し、いざというときに適切に動ける準備があってこそスマートなドライバーといえるのではないだろうか。