スーパースポーツに肉薄するパワーウエイトレシオ
TEN-Kは全新設計の2152cc直列4気筒自然吸気エンジンだ。3Dプリントの型を用いて材料を最小化したエンジン本体の重量は、わずか85kg。F1からインスピレーションを得たポートとバルブのジオメトリー、16バルブヘッド、4連の美しいスロットルボディ、クランクシャフトやカムカバーに至るまでビレット加工部品で構成されている。
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最高出力は当初目標の300馬力を上まわる325馬力を達成。そのリッターあたり出力は155馬力に達し、フェラーリ458スペチアーレ(133馬力/L)やアストン・マーティン・ヴァルキリー(153馬力/L)を超える数字だ。そしてそのエンジンは、なんと1万rpmを許容し、フラットなトルクカーブを6500rpm以上にわたって維持するという。
325馬力を895kgという車重で割ると、パワーウェイトレシオは1トン当たり363馬力。ポルシェ911 GT3のトン当たり355馬力を上まわる計算だ。そこに組み合わされるのはホリンジャー製の5速MT。ダンパーはゴードン・マレーがT.50に採用したR53製の2way式ユニットを採用しており、サーキットとワインディングの双方でその本領を発揮することが期待される。パワーステアリングは低速域でアシストを提供しながらも速度の上昇にともない介入を減らす設計で、「ピーク・アナログ」というボアハムが掲げるテーマを体現している。
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価格は付加価値税込みで35万4000ユーロで、邦貨換算で約7200万円。TEN-Kエンジンなど、オプションを加えれば優に40万ユーロ(約8100万円)超になると予想される。2年間・2万マイルの保証が付くとはいえ、もとは庶民のクルマ。「エスコートに払う金額か」という声も上がっている。
しかし、この1台を「高価すぎるエスコート」と見るか「究極のアナログロードカー」と見るかで評価は大きく変わるだろう。1968年のアラン・マン・レーシングの精神を現代のエンジニアリングで蘇らせた走る芸術品と捉えれば、この価格にも別の意味が宿るはずだ。
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ボアハムは、フォードとの契約でエスコート以外のモデルも手がけることが決まっており、次なる作品はグループBからインスピレーションを得たミッドエンジン4WDのRS200を復活させるものだという。エスコートMk1 RSが試金石として成功を収めれば、英国フォードの歴史的遺産の再解釈はこれからも続くかもしれない。