全日本ラリーの最高峰「JN-1クラス」はさまざまな規定の車両が混在! 超高額なRally2が有利とも限らないラリーの難しさ (2/2ページ)

乗りやすさはRally2だがパワー重視ならJP4

 NUTAHARA RALLY TEAMの代表であり、自らドライバーとしてもGRヤリスRally2でJN-1クラスに挑んでいる奴田原文雄選手は、JP4仕様のGRヤリスを投入するKAYABA RALLY TEAMのサポートを実施。テストで同チームのJP4仕様車にも乗ったことがあることから、その違いについても把握済み。

「Rally2は圧倒的にサスペンションストロークが長いので、どんな路面でも常にタイヤが接地していて安定しています。グラベルでも路面が荒れれば荒れたほど、その真価が発揮されると思いますね。一方、エンジンパワーやトルクだけでいえば、JP4仕様のほうが圧倒的によいと思います。でも、どこまで改造するかにもよるけれど、KAYABA RALLY TEAMのGRヤリスはジオメトリーも変更できないし、サスペンションストロークもノーマルにプラスαのレベルなのでRally2と比べると接地性とか安定性は足りない気がしますね」と分析する。

 ちなみにJN-3クラスを対象に国内規定のRJ仕様車として開発されたGRヤリスと、JP4仕様のGRヤリスを比較すると「ピロボールが入っているので、ステアリングフィーリングはJP4のほうがダイレクトです。そういった意味ではJP4は、RJ仕様車とRally2の中間ぐらいに位置すると思います」と奴田原選手はインプレッション。さらに乗りやすさに関していえば「自動車メーカーがユーザー向けに開発したクルマなので、圧倒的にRally2が乗りやすいです」とのことだ。

 このようにJN-1クラスを対象とする国際規定のRally2仕様車と国内規定のJP4仕様車ではそれぞれにメリット/デメリットがあり、目的に応じて各チームが投入しているが、第3の選択肢もあるようだ。

 先ほどのZEUS AUTOMOTIVE CLUB SPORTSの辻井代表は、「JN-1クラスではRally3も面白いと思います。排気量や改造範囲が制限されているからRally2よりはパフォーマンスが低いけれど、そのぶん、コストが安く、Rally2の半分ぐらいの金額で運用できるし、乗り手によっては十分に上位争いができると思います。実際にヨーロッパでは速いドライバーがRally3に乗ればRally2といいバトルができるし、今年のラリー・ジャパンを見ていてもRally3がよい走りをしていたから、面白いクルマだと思いますよ」と語る。

 このように全日本ラリー選手権のJN-1クラスは仕様の異なるさまざまな車両に門戸を開放することで、車種ラインアップの豊富なクラスとして定着。それぞれに特徴があることから、各チームが目的に応じて最高峰クラスにチャレンジしている。


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廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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