本来のジムニーは軟弱者の乗るクルマじゃない! 先代オーナー編集部員が「ドベグレードこそジムニーの真髄」といいきるワケ (2/2ページ)

やっぱりジムニーはシンプルであるべき!

 ……しかし待ってほしい。ジムニーはいつからそんな快適重視なクルマになったのだろうか? 冒頭で述べたように、このクルマはそもそも働くクルマであり、プロフェッショナルが使うタフなクルマなのだ。本来、「今日は海にでも行ってキャンプでもしようか」なんてウキウキしている人を想定して作ったクルマではないのだ。

 しかも現行型のJB64というジムニーは、見るからに2代目ジムニーをオマージュした形だし、歴代ジムニーで1番四角いボディでもある。となれば、現行型ジムニーもまた、原点回帰ということで、働くクルマの魂を呼び覚ますべきだと思うわけだ。

 よって筆者であれば、このJB64を買うなら、オススメはズバリ1番下のグレードである「XG」一択! いちいち数字を見て何度とか設定するオートエアコンより、ツマミを握って適当なところへガチっとダイヤルをまわすマニュアルエアコンを装備し、エンジンスタートも鍵をいちいちまわすアナログ感あふれる仕様のほうが、確実にこのクルマのキャラクターにあっていると思う。なお、先代モデルのJB23でも、エアコンは20年間ずっとマニュアルのままだった。オートエアコンは今回のJB64から採用された新参者だ。

「XG」が標準で装備している鉄ホイールは超頑丈で、プロのレーシングチームもあえて使っているといわれているので、ホイールもアルミではなく鉄のほうがむしろクロカン四駆っぽい。めちゃめちゃ重たいのだが、働くクルマであるなら、むしろこのほうがジムニーらしい。ヘッドライトもハロゲンなので、雪道で雪が溶ける点も見逃せない(上位モデルはヘッドライトウォッシャーで雪解け対策をしている)。

 とはいえ現実問題、「ジムニー1台しか所有できない」という環境の人にとって、リセールだの快適性だの、まぁぶっちゃけかなり大事な部分であるし、「ジムニーユーザーの何割が悪路とか行くんですか?」といえば、ほぼ行かないというのが現実なので、最上級の「XC」を選んでおけば、前述したように正解なのだが、本来のジムニーらしさを味わいたいなら、あえて一番安い「XG」を選ぶべきだと、筆者は思うわけだ。装備は一番劣るが、基本的なメカニズムは共通なので、スペック上は差がない。

 なので、結論からいえば、筆者的には「XG」の5速MT、ボディはシルバーという構成が、おそらく1番シンプルで「The 働くクルマ」な、本来のジムニーらしい雰囲気を感じることができるのではないだろうか。あくまで超個人的な感想であるが……。なお、この「1番安いグレードが1番ジムニーらしい」という考え方、ネット上で探すと意外と多く、そういった思想の人も一定数いる様子。

 と、力説してるのだが、残念なことに筆者の財力ではこれすらも買えないという悲しい現実がある。中古車ウォッチングは毎日しているが、恐るべし現行型ジムニー、まだまだ高値を維持している(最安値の物件でも2018年型10万kmオーバーで130万円前後〜)。

 価格に関しては、「XC」が216万400円、「XL」が204万6000円、「XG」が191万8400円と、ギリギリ200万円を切る価格だ。5速MTも4速ATも価格は同じで、価格差は「XC」と約25万円となる。

 ただし、オートエアコンのあと付けはどうやってもほぼ不可能だし、プッシュスタートや電動格納ドアミラー、リヤの分割式シートなど、「XG」を買ってからあとでどうこう出来るレベルではない。ぶっちゃけ利便性第一なら、ギョーカイの端くれ目線で見ても、XL以上がいいに決まっている。「価格が安い」ってだけで飛び付くのは、やめたほうがいいだろう。

「シンプルで1番ジムニーらしいからこれ!」という、思想の偏った選び方がハマった人だけにしてほしい。もし本稿を読んで「XGにしたけど後悔した!」となっても、クレームは受け付けないので悪しからず。


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WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

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