【試乗】バカッ速ランボルギーニは公道でも楽しめた! 920馬力のハイブリッドマシン「テメラリオ」に乗って感じた「極上の世界」 (2/2ページ)

エネルギーモードを選択ながらドライブする楽しさ

 テメラリオをドライブしてまず驚かされるのは、軽量なアルミニウム製のスペースフレームやサスペンションから伝わる剛性感だ。それは結果として「チッタ」や「ストラーダ」といったモードでは、およそパフォーマンスにフォーカスしたスーパーカーのそれとは思えないほどにラグジュアリーな乗り心地を生み出し、ロング・ドライブでもドライバーとパッセンジャーは常に快適な移動空間に包まれる。

 サスペンションの動きは、どのドライブモードを選択してもじつにしなやかで好感がもてる。もちろんスパルタンな方向にモードを変更していけば、コーナリング中のロールは徐々に小さくなっていくのだが、短いストロークでありながら、それでもなお路面からのショックを巧みに受け止めていくセッティングは見事だ。

 ミッドのV8エンジンは、ツインターボでありながらレブリミットで10000rpmを実現した超高回転型だ。これにエレクトリックモーターのパワーが加わり、システム全体の最高出力は920馬力にも達するのだが、それが負担する乾燥重量はわずかに1690kg。アクセルペダルを踏み込むとほとんど重量感を意識することなく、全身を強烈な加速Gに襲われながら、スピードメーターの針が一気に、そして驚くほどの勢いで駆け上がる様子を見届けることになる。

 オンロードではレブリミットに挑むのはなかなか難しい。ちなみにかつて鈴鹿サーキットでそのパフォーマンスを味わったときには、4速の10000rpmで255km/hという数字を確認することができた。さらにストレートが続いていたのならば、8速で343km/hの最高速を実現するのは容易なことだろうという確信を得ることもできた。

 コーナリング時のテメラリオの動きからは、常に正確さと鋭さを感じる。高速域ではやはり印象的なのはエアロダイナミクスの優秀さ。アンダーカウルを含めて、すべてのパートでさらなる最適化が図られたというテメラリオのボディは、前作ウラカンの最終進化型たる「EVO」との比較では118%増となるダウンフォースを発揮。それが生み出す安定感にはドライブ中に何度も感動させられた。

 もっともスパルタンな「コルサ」モードでの走りは、現在存在するスーパーカーのなかでも特筆すべきものといえるだろう。ステアリングの正確さ、ナチュラルで俊敏なターンインの動き、そして100-0km/h制動で32mというデータからも証明されるブレーキ性能の高さ。個人的にはその感動的な走りからはスーパーバイクの世界を想像した。

 このテメラリオでは、ドライブモードのほかに「ハイブリッド」、「リチャージ」、「パフォーマンス」という3タイプのエネルギーモードを選択することもできる。バッテリーの残量に応じて、それを使いわけながらドライブする楽しさは、最新のランボルギーニ製HPEVならではのもの。

 テメラリオの誕生は、スーパーカーの世界に間違いなく大きな衝撃を与えるだろう。先日発表されたデータによれば、ランボルギーニは2026年の上半期に、前年同期比で7.4%増となる17.4億ユーロの売上高を記録。それは、第一四半期からテメラリオが本格的にラインアップの一翼を担い始めたことにも大きな理由があるという。

 ランボルギーニは、何と素晴らしいスーパーカーを誕生させてくれたのだろうか。筆者は心からそのように思っている。


この記事の画像ギャラリー

山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報