この記事をまとめると
■BYDがインドネシア市場初のPHEVとなるM6 DMを投入した
■個人向けを意識したSUV風モデルも設定
■中国メーカー各社でHEVやPHEVの投入が拡大する風潮となっている
高まる「BEV以外」の中国車需要
中国BYDがインドネシアにて、新興国で人気の高い3列シートを備えたMPVスタイルのBEV“M6”のPHEV版となる“M6 DM”を市場投入した。それまでインドネシアではBEVのみをラインアップしてきたBYDがインドネシアで初めてPHEVを市場投入したのである。
インドネシアではBYD以外にもさまざまな中国系ブランドが市場参入している。数年前にマイクロBEV“エアEV”をインドネシアで大ヒットさせたウーリンはインドネシアにおいて成功した中国系ブランドのひとつだが、そもそもはHEVでもない純ICE車からインドネシア市場での展開をいち早くスタートさせている。いまでこそBEVのラインアップも目立っているが、ウーリンのホームページを見ると、インドネシアでは14車種がラインアップされているうち、BEVは7車種となっている。
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タイやマレーシアなどと同様、ここのところインドネシアでも破竹の勢いを見せるチェリー(奇瑞汽車)系ブランドでも、CSH(チェリー・スーパー・ハイブリッド)と命名されたシステムを搭載するHEVや純ICE車の存在が目立っている。シャオペン(小鵬汽車)など、高級ブランドではそもそもブランド自体BEVしかもっていないケースもあるが、多くのラインアップをもつ量販中国系ブランドではBEVにこだわっていたのはBYDのみであったといっていいだろう。
M6は販売台数も多く、インドネシアにおけるBYDの販売中核車種の1台となっている。しかし首都ジャカルタ市内で見ていると、一般家庭ニーズより、空港との送迎サービスや企業の社有車といったニーズが目立っているように見える。M6をベースとしたタクシー向け=フリート販売専用車両として“e6”が用意されているので、M6は「e6よりプレミアム」という触れ込みで空港との送迎サービスなどでは使われているようだる。タクシー会社はタクシー会社で、BEVであるe6を標準車より上に位置付けている。

M6とM6 DMでは顔つきを大きく変えて差別化している。ただM6のPHEV版というのではなく、BYDのウェブサイトでも独立して掲載している。ある事情通は「PHEVは一般消費者のウケがいいのではないか」と話してくれた。事実M6 DMには標準仕様ともいえる“クラシック”のほか、SUV風とした“クロス”というモデルもあり、仕様が充実している。顔つきをよりインドネシアのひとの好みに合わせ、さらにPHEVとしSUV風にして遊び心も加えており、ターゲットがより個人所有なことは明らかに見える。
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ほかの中国メーカーも先ごろ行われたGIIAS2026(ガイキンドインドネシア国際オートショー2026)において、HEVやPHEVの新型車をBEVに負けないくらい発表していた。中国車=BEVなのはお約束なのだが、量販モデルに限っていえば、BEVだけで一般消費者の関心を呼び込むことはインドネシアでは難しいのかもしれない。
HEV=トヨタのようにBEV=BYDであっても、やはり周囲の中国メーカーの動きを見れば、「BYDにはBEV以外はないの?」となるのかもしれない。見方を変えれば、それだけインドネシアのひとにとって以前より中国車が身近な存在になってきているのかもしれない。