この記事をまとめると
■フォーミュラEはドライもウエットも1種類の溝付きタイヤで戦う
■ワンスペックタイヤ採用の背景にはコスト削減と競技の差別化がある
■2026-2027シーズンからはブリヂストンがタイヤ供給を担当する
フォーミュラEのタイヤはなぜスリックではないのか?
2026年も東京にフォーミュラEがやってくる。一昨年の初回と昨年の2回目それぞれを現場で取材したが、報道関係者の多くが、そして観客のほとんどが「想像していたよりバトルがあって、レースそのものが面白い」という感想を抱いたと思う。
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時計の針を戻せば、2010年代前半、米ラスベガスでフォーミュラEのプロトタイプが走行する様子を現場で見た際、筆者は「これが未来のレースの形なのか?」とレースとして成立することに半信半疑だった。その後、使用マシンが段階的にアップグレードし、またレースフォーマットも進化していった。いまではFIA(世界自動車連盟)が認める世界選手権としての存在感を増している印象がある。
2026年の東京E-Prixは第14戦(7月25日)と第15戦(26日)それぞれがナイトレースで開催される。エンターテインメント性が高いフォーミュラEが、東京ナイトでどんな盛り上げリを見せるのか、いまからとても楽しみだ。
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そんなフォーミュラEだが、使用するタイヤは韓国ハンコックのワンメイク。しかも、トレッド面には溝が掘られている。つまり、スリックタイヤではなく、レインタイヤの設定もないワンスペックタイヤなのだ。
2025年の東京E-Prixの際、ハンコックタイヤの技術統轄者から直接話を聞いたが、ハンコックが強く要望しているというよりは、主催団体側との協議を経て採用したという。主催団体としては、チームも含めて運用コストを抑制したいという思いがある。また、F1、F2、スーパーフォーミュラなどとの差別化要因として、こうしたドライ・ウエットにワンスペックで対応する競技としての姿勢を強調したかったという面もあるだろう。
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ハンコック側から見れば、市販車用ハイパフォーマンスタイヤ開発に向けた技術的なフィードバックや、マーケティング戦略の一環としてワンスペックタイヤは訴求しやすいという考えもあるだろう。
また、フォーミュラEの参戦ドライバーの視点では、とくにウエット路面ではレインタイヤと比べて当然グリップ力が少ないため、丁寧なドライビングに達する必要がある。結果的に、ウエット路面ではドライバーのテクニック差が鮮明になり、レースの展開が変動することで観客やテレビ・ネットの視聴者にとってプラス効果もあるといえるだろう。
ただし、ハンコックタイヤとフォーミュラEとの契約は2025〜2026シーズンで終了し、2026〜2027シーズンからブリヂストンのワンメイクとなる。一部ではスリックタイヤを採用するのではないかとの話があったが、新たに導入されるハイパワー化したGEN4(第四世代)フォーミュラEの写真で装着しているタイヤはスリックタイヤではなく、これまでのようにトレッド面に溝が見える。
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タイヤの動向も含めて、今後のフォーミュラEの進化に期待したい。