「中国産しか選択肢がないのか!」 自治体を悩ませる「ポンチョ」の後継車問題 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■老朽化したコミュニティバスの更新需要が一気に高まっている

■国産BEV不足で中国系小型EVバスへの関心が拡大している

■経済安保と現場事情の狭間で自治体の判断が迫られる

老朽化したコミュニティバスに迫る更新期限

 先日関西地区で開催されたバス業界関係者向けの最新車両や最新用品を展示するイベントの取材を行った。このイベントでは数年前からおもに中国系ブランドのBEVバスの展示や試乗用として用意される車両が話題となっていた。

 2025年の正式初参加に続き、日本におけるBEVバス最大手となる中国BYDが出品する一方で、先ごろ民事再生法適用を申請したEVMJ(EVモーターズジャパン)の姿はなかった。中国系ではほかに江蘇省のアルファバスが出展、韓国ヒョンデもBEVバスを展示していた。日系バスでは唯一BEVとなる、いすゞ・エルガEV(日野ブルーリボンという双子車もある)も正真正銘の国産BEVバスとして展示されていた。

 会場で出会った知り合いの業界関係者がふと、「今回は小型バスの展示ばかりだなあ」とつぶやいた。日系ブランドでは新型日野セレガや前出のエルガEVなど、貸切(観光)、路線を問わず、大型車両が展示されていたのだが、海外勢ではヒョンデが全長9メートル、アルファとBYDは全長6メートルの車両を展示していた。アルファとBYDが展示していたサイズは多くの地域でコミュニティバスとして活躍するサイズとなる。

 このカテゴリーではEVMJの車両が幅を利かしていたので、EVMJを選択肢に入れることができないなか、つまり“ポストEVMJ”を狙っての展示とも見えるのだが、そこら辺を某事情通に聞いてみると、「全国でコミュニティバスとして活躍している車両の中心はいまだにICE(内燃機関)となる日野ポンチョとなっています。各自治体(実際の運行は民間事業者に委託)のコミュニティバスで使っているポンチョのなかには長期間使い続けているケースが多く(現行型デビューは2006年)、いい加減その保有にも限界がきて、BEV小型バスへの問い合わせが目立っているそうです」と背景を話してくれた。

 じつはポンチョについては、BYDからのOEM(相手先ブランド供給)車として、ポンチョZEV(ゼロエミッションビークル)を2022年春発売予定と日野がリリース発信するほど発売がほぼ確定状況にあった。その後、2023年(2022年度中)に発売が延期され、このポンチョZEVの発売が取りやめとなったのである。

 2022年3月に日野はエンジン認証に関する問題が発覚しているのだが、その影響なのかについても含めて発売取りやめの理由は明らかにされなかった。筆者が聞く限りではすでに日本での関連施設に中国から陸あげされた当該車両が多数置かれているというなかでの判断であったそうだ。


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小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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