雨のタイミングだけライドシェアを許可! いかにも日本らしい「降水量予測」に基づいた厳格な運用許可ってなんでそこまでやる必要ある?

この記事をまとめると

■日本版ライドシェアは一定条件で雨天時の稼働が認められている

■稼働時間は降水予報をもとに細かく定められタクシー不足を補う範囲に限定される

■タクシー業界への配慮が根強くより柔軟な運用を求める声もある

タクシーとのバッティングが課題となる日本版ライドシェア

 いつもクルマで移動している人にはあまり関係ない話題かもしれないが、梅雨時のような雨の多い時期は、タクシーを使う人が増える。自転車や二輪車に乗っている人がシフトするというのもあるし、公共交通の移動はラストマイルが徒歩になりがちなので、傘を差しながら荷物をもつのは大変だという気もちから、タクシーに頼る人が多くなるようだ。

 よっていつもは簡単に捕まるタクシーが、なかなか拾えないという事態になりがち。そこで国土交通省が考え出したのが、ライドシェアの稼働だ。我が国のライドシェアには大きくわけて、日本版ライドシェアと公共ライドシェアがある。前者は道路運送法第78条第3号の「自家用車活用事業」、後者は第78条第2号の「自家用有償旅客運送」に基づくもので、どちらも合法だ。

 日本版ライドシェアは主に大都市で、タクシー会社が運行するパターンが多いのに対し、公共ライドシェアは地方の自治体が主体となって走らせているところも違い。ただしどちらもアプリを使って配車予約や運賃の支払いをするところは似ている。

 アメリカのライドシェアと違うのは、自由に営業できるわけではなく、タクシーが足りなくなる日時にサポートするという位置付けになっていること。たとえば日本版ライドシェアでは、配車アプリのデータに基づき、国土交通省が指定した不足車両数の範囲内で走れることになっている。でも最初に書いたように、曜日や時間帯とは関係なく、雨の日もタクシーが捕まりにくくなる。

 そこで日本版ライドシェアについては、天気予報で雨が降りそうなときにも、稼働をOKとした。その基準がまた日本らしく厳格で、日本気象協会ホームページ「tenki.jp」の予報で、24時間先までに1時間あたり5mm以上の降水量が予報されている時間帯およびその前後1時間としている。さらに1時間あたり5mm以上という予報の時間帯が1時間のみである場合は、前後1〜2時間を含めた最大4時間まで稼働できるとか、24時間以内に予報が更新されて、降水量予報が5mm未満となった場合でも規定どおりに稼働できるなどのルールもある。

 ここまで読んできた多くの人が、なぜこんなに複雑なルールにするのか? と思ったことだろう。たしかにライドシェアのパイオニア、ウーバーが運営するウーバーイーツは、配達員として登録すれば、自由に動ける。雨の日はオーダーが増える一方、配達員が少なくなるので、インセンティブが出るとのこと。サッカーW杯の日本戦でも、追加報酬が出たそうだ。

 我が国のライドシェアがそうならないのは、当初から根強かったタクシー業界の反対が、いまも根強いからだろう。終身雇用制度や護送船団方式などと同じように、守るというスタンスが色濃く見える。でもフリーランスとして活動する自分が考えるのは、仕事にはサッカーのストライカーと同じような嗅覚が必要だということ。「今日は雨が降りそうだからライドシェアやるか!」 という社会のほうが、この国の発展につながると思うのだが。


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森口将之 MORIGUCHI MASAYUKI

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