この記事をまとめると
■自動車ヤードとは車両の保管や解体、輸出準備を行う施設だ
■一部では盗難車の解体や不正輸出の拠点となっている
■立ち入り検査や規制強化により自動車盗難件数の減少など一定の効果が現れている
犯罪の温床となるケースが社会問題化
盗難車の解体や不正輸出、油流出や騒音などの問題で時折ニュースに取り上げられている「ヤード」。そもそもこのヤードとはなんなのか?
語源は英語の「Yard」で、直訳すると「囲い地」「作業場」という意味。周囲を塀などで囲まれた広大な屋外スペースを指す言葉だ。そして海外への輸出等を目的として、業として自動車の保管・解体、コンテナ詰め等の作業のために使用していると認められる施設のことは「自動車ヤード」と呼ばれている。
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自動車ヤードは全国にあるが、とくに千葉県、茨城県、埼玉県に集中しており、千葉県には全国の約2割に相当するおよそ790カ所、茨城県には約400カ所、埼玉県には約250カ所の自動車ヤードがある。
これらの自動車ヤードは周囲が鉄壁等で囲われており内部の状況を視認できないようになっていて、その一部のヤードでは、盗難自動車の保管・解体のほか、不正輸出の拠点、不法滞在外国人等の稼働・たまり場などとして利用されている実態が報告され、社会問題になっているケースが増えてきた。
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各自治体や警察でもこうした実態を重く受け止めており、不正ヤードを取り締まるための独自の「ヤード条例」を制定し、厳しい規制や実態調査を行っている自治体が出てきている。
たとえば千葉県などは、県内全域で「金属スクラップヤード等規制条例」を導入しており、特定再生資源の屋外保管は許可制としているほか、それとは別に「自動車ヤード条例」も制定。
エンジン等の自動車部品の保管等の用に供する施設のうち、その外周の全部又は一部に板塀等が存する施設に関しては、
・届出義務
・油の地下浸透等の防止措置の義務
・原動機を受け取る際の相手方確認等の義務
の3つの条件を義務づけている。また、千葉県警と連携し、犯罪予防等を目的として、自動車ヤードに対し定期的に立入りを実施し、自動車ヤード経営者等が「使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法)」に基づく解体業の許可等を取得しているか、自動車ヤード内に盗難自動車等が保管されていないかなど、各種法令を遵守し適正に業務を行っているか否かの調査を実施しているとのこと。
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千葉県のほかにも茨城県や愛知県、群馬県などでもヤード規制条例を制定しており、
・事業の届出・許可
・相手方の確認(自動車や金属を受け取る際、相手の身元を確認)
・取引記録の保存(取引日時、品目、数量、相手の情報を記録し、保存する義務)
・盗難防止(盗難の疑いがある車両や金属をもち込まれた場合、直ちに警察へ申告する義務)
といったことが規制の内容に盛り込まれている。
こうしたヤード規制条例を制定したことで、警察も立ち入り検査を実施するようになり、行政指導に従わないヤード経営者については検挙する例が増えてきて、千葉県、茨城県では、全国トップだった自動車の盗難認知件数を著しく低下させることに成功。
ヤードのすべてが不正不法というわけではないだろうが、盗難車の解体や不正輸出などの犯罪の温床となっているヤードも少なくないので、不法ヤードに対する取り締まりは一層強化していただき、自動車窃盗の被害を1台でも減らし、油の流出や煙や匂いなどの環境汚染、火災などのリスクを解消してもらいたいものだ。