平成元年生まれの怪物! スバル車の壁を打ち破った「初代レガシィ」の衝撃 (3/3ページ)

ついに「レガシィ10万キロ速度記録達成」を実現

 そこで、レオーネに代わる新世代モデルのレガシィでは車体剛性を大幅に向上させた。新世代モデルの性能の高さを証明するべく、SUBARUブランドの底上げするために設けた組織、STI創立イベントとして「レガシィ10万キロ速度記録達成」を実現。小荷田さんも高橋さんもドライバーとして参加したが、時速240km以上で巡航しても辛いのは暑さと眠気だけ。「この速度域で走ってて眠くなるなんて、ウチのクルマは何て良くなったんだ!」とテスト中に感動し続けたという。

 初代レガシィは、80年代に低迷していたSUBARUの救世主となった。赤字を増やすことも辞さず栃木にSKCというテストコースを作り、プラットフォームもエンジンもすべて全面刷新。

 当時のSUBARU社内では、走行性能を高めたいとの意識の高まりにより、走り向上のための企画やアイディアは多少コストを度外視してでも採用されるケースが多かったという。スバル360やスバル1000の開発時の黎明期の雰囲気が蘇ったともいえる素晴らしい時代で、ここからSUBARUは走行性能開発の黄金期を迎えることになる。

 初代レガシィは、セダンでは10万キロ速度記録達成やWRC初優勝などの偉業を達成。ワゴンでは、商用ライトバンとはイメージを決別させる「ツーリングワゴン」ブランドを築き、一世を風靡した。

 四駆なのに、アスファルトでも良く曲がってスポーツカー的な走りが楽しめる。しかもユーティリティ性が高い。走りの深さを語れるドライバーズカーとして、今もその伝統は受け継がれている。


新着情報