新型スープラは伝統の直6ターボ&FR! 受け継がれるトヨタのスポーツカーに対するこだわり (2/3ページ)

トヨタ製スポーツが継承するもの【直列6気筒エンジン】

 トヨタの6気筒エンジンのうち、もっとも歴史があるのが「M型」。2L SOHCが基本形で、2000GTの「3M」はDOHCとなる専用ユニット。初代セリカXXの「4M-EU」はSOHCのままで2.6Lに、「5M-EU」は2.8Lへと排気量を拡大したバージョンだ。2代目セリカXXおよび初代ソアラには、5M-EUをDOHC化した「5M-GEU(170馬力)」を搭載している。その後、「6M-GEU(3L)」まで展開。M型の最強バージョンが、ターボ仕様の「7M-GTEU(240馬力)」となる。自然吸気仕様のM型の特徴は、排気量にかかわらず、低回転からトルクが立ち上がり、力強さだけでなく乗りやすさも兼ね備えていた。

7M-GTEU

伝統あるM型エンジンの最終進化形

 1986年、初代スープラと2代目ソアラに搭載されてデビュー。国内仕様はターボのみ。グループAレースのホモロゲモデル「ターボA」では270馬力を発揮する。

 次に登場したのが「G型」。2L SOHC2バルブの「1G-EU」と、4バルブ化した「1G-GEU」、さらにツインターボ仕様となる「1G-GTEU(210馬力)」、クラウン用ではスーパーチャージャー仕様の「1G-GZEU」も設定された。1G-G系は、高回転までまわる特性で、マニュアルミッションで操る楽しさが魅力だった。

 そして、最終仕様にして最強と言われるのが「JZ」系エンジン。2.5Lの「1JZ-GTE」と3Lの「2JZ-GTE」で、どちらもターボ仕様を前提として設計されており(自然吸気仕様もあり)、トルク特性や耐久性に優れたユニットだ。ターボ仕様の最高出力は、どちらも280馬力となっている。

1JZ-GTE

ハイパワー化にも耐える名機

 初代スープラおよびマークII系の後期型に搭載される。当初はツインターボ仕様で、マークII系の最終仕様ではシングルターボになる。

2JZ-GTE

トヨタ史上最強と謳われるパワーユニット

 自然吸気(2JZ-GE)もあるが、ターボ仕様はアリストと2代目スープラのみ。アリストはAT、スープラはATのほかゲトラグ製6速MTを設定する。

 新型スープラには、6気筒エンジンと2タイプの4気筒エンジンが搭載されている。いずれもトヨタのスポーツカーづくりのコンセプトである「Fun to Drive」を実現すべく、絶対的性能だけでなく、回転フィールやエキゾーストサウンドにもこだわっている。FRという駆動方式と組み合わせることで、エンジン性能が生かされるだけでなく、高い操縦性を味わうこともできるだろう。歴代のトヨタのスポーツモデルが、「運転の楽しさ」を追求してきたのと同じように。


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