20年越しの夢叶う! 若手編集者が憧れの「レガシィ・ツーリングワゴン」に乗って受けた衝撃とは (2/2ページ)

4代目は打って変わってスポーティな走り!

 2日目は4代目レガシィ・ツーリングワゴンに乗り換え、まずは長野県・奈良井宿を目指す。5代目はサイドブレーキが電動式だったが、4代目はまだ手で引くタイプなのも個人的には落ち着くポイント。走り出してみると前日に乗った5代目とは打って変わってスポーティな印象だ。試乗車に搭載するのは私の愛車WRXと同じ2リッターターボの「EJ20」、軽く回る感覚が気持ち良い。ああ、やはりEJ20だ、終わらないでくれEJ20……(現行WRX STIでEJ20は生産終了と発表されている)。

 4代目レガシィは「機敏でしなやかな走り」を最重視し、軽量化と高剛性化に注力したモデルであることは聞いていたが、実際に乗ってみてなるほどと感じた。このクルマの思いどおりのラインをトレースする感覚は、ワインディング走行がとくに楽しかった。

「クルマを止められそうなところがあったらそろそろドライバーチェンジしようか」と石田編集長。少しでも長く運転したいがために、クルマが止められそうな場所に気付かぬフリをし、いくつか見送ったのはここだけの話だ。

 そうこうしているうちに奈良井宿に到着。奈良井宿とは長野県塩尻市奈良井に位置する中山道の宿場町だ。重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、こんな街並みが日本にはまだ残っていたのか、と思うほど情緒的で美しい。歩いているだけで心が癒された。

 奈良井宿の古き良き景色を堪能した後はいよいよクライマックス、現行レヴォーグで東京都・恵比寿を目指す。何度も乗ったことのあるレヴォーグではあるが、いままでとは受ける印象が違った、というかいままでは気付けていなかった「スバルがこのクルマに捧げた情熱」がわかった気がしたのだ。涙さえ溢れてくるのはなぜだろう……。

 スポーティでありながら安定した快適な走り、広い車内や荷室、そして進化したアイサイト……。なにもかもが完璧で、歴代モデルの良いところが活かされているように感じた。初代レガシィからの進化を経てここまでたどり着いたのだろう。

 今回の試乗会は正式には「SUBARU GT EXPERIENCE」と題されていた。クルマの「GT」とはグランドツーリングを意味し、「より遠くまで、より快適に、より安全に」というのが初代レガシィ誕生時からのスバルのGT思想だ。

 この試乗会で、ロングドライブにおいてこの性能がいかに大切かが理解できた。まずクルマの走りが良く運転を楽しめたことや、快適な乗り心地であったことによって、WEB CARTOPチーム3人の車内の会話は終始盛り上がっていた。目的地に到着する度に「もう着いたの?」と感じたほどだ。そして運転支援システムやクルマの素質の良さから長距離を運転しても疲労感が少なかった。これにより目的地に到着してからも天体観測や観光などを心から楽しめたのだ。

 いま、時代はミニバンやSUVだが、スポーティな走りも楽しめ積載性にも優れる「ツーリングワゴン」というジャンルはやはり良いなと改めて実感。また最近は価格や見た目だけでクルマを選ぶ人も少なくないと聞く。それも悪くないが、走りの良いクルマ、自分の好みの乗り味のクルマに乗って欲しいとも感じた。クルマの走りによって道中や行き先での気分はこんなにも変わる、ということを学んだ2日間であった。

 なんてことを振り返りながらこの記事を書いていると、2019年10月24日(木)から開催される東京モーターショーで次期レヴォーグ プロトタイプが公開されることが発表されたではないか! いまや孤高の存在であるスポーティな国産ツーリングワゴン、レヴォーグ。今後どのような進化を遂げるのか、非常に楽しみである。


乾ひかり INUI HIKARI

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愛車
スバル・インプレッサWRX STI(GRB)
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ひとりドライブ旅、読書、音楽鑑賞(ライブ参戦)
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