これなら巨漢アスリートやメタボもOK! 押し込められた感なく座れる3列シートをもつクルマ3選 (2/2ページ)

大柄な人が乗れる3列目はLクラスミニバン! SUVは厳しい

 ここからが本題で、大柄な人でもなんとか乗れる!?  3列目席を持つクルマと言えば、やはりLクラスミニバンが絶対的に優勢だ。マツダCX-8やボルボXC90など、3列シートを持つSUVもあるが、パッケージ的に3列目席は子供席、緊急席的考え方なので、乗降のしやすさを含め、一般的な体形の人なら乗降性が意外なほどいいCX-8にしても、大柄な人、メタボな人が座るとしたら薦められない。一応、シートサイズを記しておくと、シート長450mm、シート幅1110mm、シート高620mm。さすがに座面の長さと幅はコンパクトになり、頭上、ひざ回りスペースもそれなりだ。

 では、3列目席のゆとりがあるLクラスミニバンと言えば、まずアルファード&ヴェルファイアを想像するに違いない。しかし、これまた意外にもオデッセイがゆったりしている。シートサイズはシート長530mm、シート幅1210mm、背もたれ高570mmと、エルグランドの同480mm、1170mm、580mm、そしてアルファード&ヴェルファイアの同460mm、1130mm、600mmより大きめのシートサイズを持っているからびっくり。その上で、オデッセイの頭上スペースはアルファード&ヴェルファイア並みにあり、よほどでない限り窮屈さを感じにくいはずである。

 ただし、空間だけでなく、3列目席の乗り心地まで含めると、やはり、トヨタが最上級であり、トヨタの高級サルーン並みの乗り心地を追求したアルファード&ヴェルファイアの快適度が光る。ここだけの話、ひじ掛け部分を含め、路面によってけっこう微振動が伝わるハイグレードな2列目キャプテンシートより(シートが重く、取り付け部剛性を取るのが難しく、重心が高いのが微振動発生の理由)、ベンチタイプの3列目席のほうが乗り心地がよく感じることさえあったりする。

 オデッセイが全高1685mm(人気のアブソルート)にして、全高1950mmものアルファード&ヴェルファイア同等の頭上スペースを持っている理由は、ホンダ独創のセンタータンクレイアウトによる低床パッケージを採用しているからだ。フロアがグーンと低いため、それほど高い全高を持たなくても、室内高をかせげるという理屈になる。

 ちなみに、デリカD:5の2/3列目席も、居住空間優先パッケージを採用しているだけにたっぷりとしたシートサイズを持っているものの、SUV並みの走破性を誇るのとバーターでフロアが高いため、足腰が強いラガーマンならともかく、フツーに大柄な人(メタボな人)の乗降は、ちょっとつらくなるかもしれない。

 ただし、2-3列目席スルー性では、デリカD:5のスルー幅は180mmと、ほかのミニバンの140~160mmに対して広めなので、体格が良くても足が細い人なら、乗降の自由度が高まる(2列目席ウォークスルー&2-3列目席スルーの2way)ということになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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