乗車人数が選べるクルマはどちらを選ぶのが正解? 6モデルの販売状況とオススメのシートとは (1/2ページ)

シエンタで6人乗りを選ぶ人はたった6パーセント

 ミニバンの多くは、2列目席が3人掛けのベンチシートと、より贅沢な雰囲気とかけ心地が得られる2人掛けのセパレートシート=キャプテンシートが選べるようになっている。ボクが2000年代に2代目オデッセイを買った頃は、8人乗りの2列目キャプテンシートが圧倒人気だったことを覚えているが、それは、価格がほぼ同じなら、1人でも多く乗れるほうがミニバンとして便利そう……という欲張り感、期待感もあったからだったように思う。

 一方、2列目キャプテンシートは、3列目席に乗り込む際、2列目席ウォークインだけでなく、2-3列目席スルーによる乗車も可能で、3列目席を頻繁に使う用途に向いている。が、3列目席をすべて格納してしまうと4人乗りになってしまうという、ちょっとした問題点もある。

その事実が色濃く反映されているのが、2019年8~9月期の乗用車販売台数No.1に輝いたトヨタ・シエンタ。6/7人乗りが選べるコンパクトミニバンだが、6人乗りが11%、7人乗りが89%と、より多くの乗車が可能な仕様が圧倒的に売れているのである。

 もっとも、シエンタの場合、6人乗りといっても、2列目席はフリードのようなキャプテンシートではなく、5:5分割のベンチタイプのシート中央に物入れを設け、2人掛けとしているだけの微妙な仕様なので、6人乗りを積極的に選ぶ大きな理由がないのも、7人乗りが売れている原因のはずだ。5人乗りの大容量ワゴンと言えるシエンタ FUNBASEを加えた5/6/7人乗りの販売比率でも35%/7%/58%となる。

 乗車定員が1人多くなる2列目席ベンチシートのメリットとしては、3人掛けが可能になるだけでなく、子育て世代にとってはおむつ替えがしやすい、愛犬家には大型犬もゆったり(横に)乗せられるなどの使い勝手の良さがポイントとなる(大型犬と暮らしているわが家では、オデッセイも8人乗り、2列目ベンチシート仕様だった)。もっとも、2列目席ベンチシートにゆったり快適に乗れるのは2人までなのだが……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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