【まもなく登場の新車はドコがすごい?】国産ニューモデル5台がもつ「唯一無二のウリ」と期待度 (2/2ページ)

走りで高い評価を受けるスバルが燃費でものし上がるか

3)スバル・レヴォーグ

 2019年の東京モーターショーにてプロトタイプが世界初公開されたスバルのスポーツツアラー「レヴォーグ」。その心臓部には新開発の1.8リッター水平対向リーンターボエンジンが搭載されることも同時に発表されました。

「リーン」という言葉が入っていることからもわかるように希薄燃焼を行なうターボエンジンです。希薄燃焼をする目的は燃費性能の向上ですが、つまり熱効率に優れたエンジンを目指しているわけです。なんと、その最大熱効率は40%オーバーといいます。過給エンジンとしては世界最高レベルの熱効率を実現したというわけです。世界でも最大熱効率40%を超えているエンジンは数えるほどしかありません。燃費性能においてネガな評価を受けることの多かったスバルですが、ここに来て一気にトップランナーへと駆け上がったといえます。

 はたして、新世代プラットフォームを強化したというレヴォーグのシャシーとリーンターボエンジンの組み合わせが、どのような走りを生み出すのか。非常に楽しみな一台です。

4)マツダMX-30

 2019年の東京モーターショーで初公開されたクルマといえば、マツダのEV「MX-30」も忘れられない存在です。まずは欧州でローンチ、日本での発売はしばらく後になるという評判でしたが、市場からのリクエストに応えてなのか2020年度内での発売に向けて、さまざまな作業が進められているという噂も聞こえてきます。

 さて、このMX-30において注目したいポイントは、マツダらしいEVとしての走りであったり、登場が予告されているロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーの中身だったりと多岐にわたりますが、スタイリングでいえば、帰ってきた『フリースタイルドア』ではないでしょうか。

 同社の4ドアスポーツクーペ「RX-8」が採用していた観音開きドアが、EVのスタイリッシュなフォルムでよみがえったのです。モーターショーで公開されたプロトタイプでは、リヤドアにアウターハンドルは見当たりませんから、後席に乗り込むときはフロントドアを開ける必要があります。RX-8でも、リヤの乗員は自力で乗り降りができないというネガがありました。果たして、その辺りの対策がどのようになっているのか。使い勝手が向上していればフリースタイルドアの価値が再発見されるきっかけとなるかもしれません。

5)ダイハツ・タフト

 かつてダイハツのリッタークラス・クロカン4WDモデルに使われていた「タフト」という名前が、軽自動車のクロスオーバーSUVとして復活します。東京オートサロン2020にてプロトタイプが公開されたタフトは、そのスクエアなスタイルからひと目でわかるようにスズキ・ハスラーの対抗馬といえるニューモデルです。

 ダイハツがスーパーハイトワゴン「タント」にフルモデルチェンジから採用した新アーキテクチャ「DNGA」によるSUVスタイルの走りがどのように仕上げられるのかにも興味津々ですが、オートサロンにて公開されたプロトタイプで注目を集めていたのはガラスサンルーフの採用。軽自動車のガラスサンルーフというのは他社にはないもので、積極的にタフトを選ぶ理由となってもおかしくない装備といえます。このストロングポイントによってタフトのセールスが伸びれば、他社も追随することは間違いありません。果たして、軽自動車にガラスサンルーフのブームが来るのか、タフトの売上に要注目といえそうです。

 以上、5モデルの特徴的な装備や機能に絞って着目してみました。自動車業界は100年に一度の大変革期といわれています。おのずとユーザーの選択理由にも変化が生まれることでしょう。自分の中に確立している評価基準を曲げる必要もありませんが、あたらしい価値観を柔軟に受け止めることも、これからのクルマを楽しむ上では必要かもしれません。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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