【EUから離脱】ネガな面の強調に反してイギリス車が2020年代に大化けする可能性! (1/2ページ)

英国人の約17万人が自動車産業に関与している

 ついに欧州連合(EU) から離脱した、英国。果たして、英国自動車産業はこれから、どうなってしまうのだろうか?

 生産台数では、英国は世界14番目とあまり目立たない。メーカー別にみると、もっとも生産台数が多いのが、ジャガー・ランドローバー。2位以下は日産、BMW、トヨタ、ホンダと続き、日系メーカーの存在感が大きい。

 筆者はこれまで英国政府が主催する自動車関連のシンポジウムや技術説明会などで英国各地を訪れている。その際、政府側はいつも「日系自動車メーカーあっての英国経済」という表現を使っていた。自動車産業に直接関与する英国人は約17万人に及ぶ。自動車は英国にとって経済の柱である。

 ところが、ブレグジッドと呼ばれるEU離脱はすでに、英国での自動車生産に大きな影響を与えている。メーカー側とユーザー側ともに、ブレグジットを睨んでか、2017年から2019年まで3年連続で生産台数が大きく落ち込んでいる状況だ。

 そうしたなか、ホンダは2022年に英国現地工場の閉鎖を発表。日産もゴーン体制から刷新のなかで、英国工場へのさらなる対応が予測される。JETRO(日本貿易振興機構)の調べでは、英国生産のうち約8割が輸出され、そのうち約5割がEU向けだ。また、ティア1(大手部品メーカー)の英国での内製率も約5割。

 つまり、ブレグジットした英国自動車産業にとって輸出と輸入による関税や書類審査等の手続きが、今後のビジネスにおけるハードルになることは間違いない。それでもなお、ブレグジッドを強行し、英国政府は自動車産業を新しい形へと導こうとしているのだ。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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