「高くて豪華」なのになぜダメ? 1300万円超の高級車でもデートに不向きなモデル5台とその理由 (2/2ページ)

超最上級は周囲の注目を集めすぎてプレッシャーに!?

3)ロールスロイス・ファントム

 3台目は、同じく快適&豪華すぎるゆえにデートには乗ってこないで、と思ってしまう、ロールスロイス・ファントム。お値段は高級車のなかの高級車とも言うべき、約5570万円でございます。一軒家が買えるっちゅーの。インテリアもデザイナーズルームのようで、自由にデザインできるというダッシュボードや、最高級のレザーを職人が仕立てたシートなど、お姫様気分全開。座った瞬間から夢のような時間がスタートすることでしょう。

 しかも5.7m超の巨体はオールアルミ製で、6.7リッターの12気筒エンジンも気持ちよく吹き上がり、まるでスポーツサルーンのように滑らかに走ってくれるわけです。ただ、走行中も停車中も、どこへ行っても注目の的になるのがロールスロイスの宿命。どこか目的地に着いたとして、そのドアからいったい誰が降りてくるのか? 芸能人か政治家か、叶姉妹か? もうみんなが超絶に期待して注視しているわけです。

 そんなところへ、降りて出て行く勇気がアナタにあるでしょうか? 私ならとても降りられません。結局、どこにも寄らずにぐるっとドライブして、すごすごと家に戻ることになるかも……。なので、もうちょっと注目を集めない高級車の方がデート向きでしょう。

4)モーガン

 4台目は、1930年代から変わらぬクルマ作りを続けている、モーガン。お値段はいちばん高価なプラスシックス ツーリングで約1500万円です。大きな魅力は、いまだに木材をあちこちに使っているなど、圧倒的にクラシカルなキャラクター。古き良き時代を肌で感じることができる、希少なクルマです。安全基準の問題などもあり、生産が年々困難になっているというのも、余計に価値を高める要因になっていますね。

 そんなクルマでデートできるのは、確かに素晴らしい経験にはなるのでしょうけど、現代のクルマならあって当然のものがモーガンにはないわけですね。ナビやオートエアコン、ドリンクホルダーもなし。マニュアルで調節できるエアコンがつくモデルもあるものの、オープンにして走るのが基本スタイルのモーガンなので、あまり快適性は期待できないでしょう。

 ロングヘアの人は、ぐちゃぐちゃになる覚悟でどうぞ、という感じです。これだと、優雅に高級車でデートというよりは、バイクにタンデムでデートの感覚に近いかもしれないですね。

5)BMW i8

 そして最後に5台目は、先進のプラグインハイブリッド高級スポーツカー、BMW i8。お値段は2135万円でございます。意外かもしれませんが、確かにi8は見た目もカッコイイし、快適性装備も豪華すぎず乏しすぎず、ちょうどいいので女性に優しい高級スポーツカーと言えるでしょう。

 問題は、i8に乗る男性がケチだった場合です。よく言われますよね、本当のお金持ちほどケチ、というか慎ましい暮らしを好むとか。環境問題に人一倍敏感で、ストイックなエコライフを送っている人も多いように感じます。そういう人がi8に乗ると、デートにはちょっと不向きかなと思うのです。

 というのは、i8はガソリンを燃料としても走れますが、充電するとガソリンを使わずにモーターだけで50kmくらい走れます。しかもメーカーの充電プログラムで、購入から12カ月はいくら充電しても0円。なので、50km走るごとに充電をすれば、どこまで行ってもタダで走れるということになるのです。

 これをケチ、いや、エコな人が見逃すはずはありません。1回の満充電には少なくとも3時間くらいはかかるので、デート中にしょっちゅうどこかで停まって充電しようと言われたら、どうでしょう? 苦にならない女性ならいいですけど、早く目的地に着いて遊びたいのに〜ってときは、「デートとガソリン代、どっちが大事なわけ?」なんて思っちゃいそうですよね。

 というわけで、デートの主役はあくまで人。クルマはそれを盛り上げてくれる大事な存在ではありますが、高けりゃいいってモンじゃない。おまけに、乗る人の人格まで問われるのが高級車というもの。無理をしすぎたら思い切り楽しめないし、デートではできるだけ甘い時間を過ごしたいはずですから、やっぱり身の丈にあったクルマがいちばんかもしれないですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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