「一発免取の可能性」「えん罪予防にドラレコ必須」! あおり運転の定義と厳罰化の中身 (2/2ページ)

妨害運転罪として細かく規定したものの基準は不明確

 2017年の東名高速での事故は、子どもを残して両親が死亡するという痛ましい事故で、現在係争中だが重い「危険運転致死傷罪」を適用することは難しいとされる。追い越し車線に停車させることと、そこに追突して死亡事故になったこととの因果関係があいまいだからだ。心情的には厳罰とはいえ、法律の規定に従うしかない現状は被害者にとって理不尽である。そこで、厳罰化となったわけだ。

 6月30日施行の改正道路交通法では「あおり運転」の罰則を大幅に重くしている。法文に「あおり運転」とは書けないので、「妨害運転罪」という新語を登場させた。妨害運転罪=あおり運転で、妨害運転罪は「通行区分違反」「急ブレーキ禁止違反」「車間距離不保持」など10項目で構成される。

 罰則は2段階に設定されていて、「交通の危険のおそれ」なら3年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点&免許取り消し(欠格期間2年)。「著しい交通の危険」なら5年以下の懲役または100万円以下の罰金、違反点数35点&免許取り消し(欠格期間3年)。しかも前歴などある場合はさらに重くなる。いずれにせよ、従来と比べれば段違いに重くて、一発で免許取り消し&3ケタ万円の罰金となる可能性があるのだ。

 厳罰化は運転者以外にも及び、あおり運転を「そそのかした」と認定されたら免許取り消しの処分が下される(欠格期間は最低2年)し、そそのかしただけで同乗しなかったとしても取り消し処分となってしまう。

 あまりに細かく規定された分、それぞれの基準が明確になっていないだけに、「あおり運転のあおり」という問題もささやかれている。たとえば車間が自然に詰まってしまったのに、あおられたとするもの。防止策としては紛らわしい行為はできるだけ避けて、ドライブレコーダーを装着すること。言いがかり的な通報をされたら、ドライブレコーダーの映像で対処するしかないというか、それが唯一の証拠になるので、ぜひ装着しておきたい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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