残価設定ローンと密接な関係! いま新車ディーラーで「メンテナンスパック」加入が増加しているワケ (2/2ページ)

最終支払回で現車を確認すると想定外に傷んでいることも……

 事情通は「メンテナンスパックが出始める少し前のころに聞いた話では、冗談抜きで法定点検などで入庫されたクルマのボンネットを開けると蜘蛛の巣だらけということは珍しくなかったそうです。また、オイル交換をせずに乗り続けてエンジンが焼きついてしまい、新しいエンジンに換装するケースもそれほど珍しくなかったようです。メンテナンスパックが当たり前のようになってきたいまでは、そんな話は以前ほど頻繁には聞かなくなりましたね」とのことであった。

 もともと過走行気味となるお客や、クルマを荒っぽく使うひとなどへは積極的に残価設定ローンはすすめないようにして“自己防衛”するセールスマンも多いと聞く。しかし、それでも支払最終回にいざ実車をチェックすると、けっしてベストコンディションとはいえないクルマも放っておけば続出しかねないのである。

 残価設定ローン普及の背景のひとつとしては、計画的な下取車の入庫予定の把握という面も大きい。3年や5年後の支払い最終回に残価相当分をについて再ローンを組んで乗り続けるひともいるが、大部分は車両返却もしくは新車への乗り換えでディーラーが引き取ることになる。こうなると、ディーラーとしては、将来的にどのような車種が下取りなどでいつごろ入庫予定となるか予測することができる。さらに、メンテナンスパックに加入してもらい、自社整備工場でメンテナンスを行っておけば、品質面でもある程度の維持が可能となるのである。

 残価設定ローンの利用は別としても、メンテナンスパック加入率の高いクルマはリセールバリューも良好で安定したものとなりやすいといってもいいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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