Interior/大らかな逞しさを演出した機能的なコクピット
SUVでありながら、日常使用では乗用車的な運転ができることを目指して、ハリアーのドライビング空間が設計された。
ダッシュボードのアッパー部は水平基調とし、フロントウインドウを後退させることで前方視野角を広げている。ドアミラー越しの死角も減らすことで運転時の視覚情報を的確に得られるようになった。シャーシのセッティングでは路面からの入力に対して体が揺さぶられにくくすることが目標となったが、インテリアがその役割の一部を担っているのだ。これにより、目線の上下動が少なくなり、セダンに乗っているかのような運転感覚を味わえる。
ダッシュボードのロア部からドア、コンソールにかけては、緩やかなRを多用した面構成とソフトパッドやレザー素材の採用により、適度な包まれ感が生まれている。ドライバーだけでなく同乗者にも安心感を与える空間と言えるだろう。こうした緊張感と抱擁感のバランス、そして上質感によって「豪華ではないプレミアム感」をうまく表現している。
インテリアはテーマカラーが設定され、ボディカラーに関係なく選べるというのもポイントだ。S(ブラックのみ)を除くグレードでは、ブラック、ブラック&ブラウン、グレーの3色から選べ、2色のレザーパッケージ仕様も用意されている。
右に速度計、左に回転計(ハイブリッド車はシステムインジケーター)を配置したメーター。中央部のマルチインフォメーションディスプレイはZ/G系では7インチ、Sでは4.2インチとなる。車速、シフトポジションを常時表示するほか、燃費情報、エネルギーモニター(ハイブリッド車)などを切り替えて表示できる。運転支援装置などの設定もこの画面で行なう(写真はハイブリッド車7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ)
ドアスイッチベースパネルは、内装色のテーマカラーに応じて4色が設定されている(写真はホワイトウッド調パネル)。ルーフの前方にヘルプネットに対応したSOSボタンを配置。調光パノラマルーフ装着車ではルーフのスイッチが設置される。Z系のヘッドアップディスプレイは、車速やカーナビの案内、道路標識などをフロントウインドウに情報を映し出す。JBLプレミアムサウンドシステム装着車では、フロントピラーのツィーター、ラゲッジのウーファーなどを装備。
バニティミラーを内蔵するサンバイザーを前席左右に装備されている。ルーフ側にはそれぞれ照明が備わっている。ダッシュボードの右下には、パノラミックビューモニター、パワーバックドアなどのスイッチが配置される。後方視界をクリアなカメラ映像としてミラーに表示する。通常ミラーへの切り替えも可能だ。ハリアーでは前方/後方の視界を同時録画できるドライブレコーダー機能を搭載。フルオートエアコンは全車に標準で装備される。操作パネルはZ系が静電タッチパネル式(G系にはメーカーオプション)で、G系/Sではダイヤルボタン式となる。
T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム。12.3インチワイド画面のタッチディスプレイは、カーナビなどのマルチメディア操作から、エアコンの設定変更などもできる。JBLの9スピーカーシステムも搭載する。
プッシュスタートスイッチは操作性を考慮し、コンソール側に配置されている。ハイブリッド車ではブルーの「POWER」ボタン、ガソリン車ではブラックの「ENGINE START STOP」となる。シフトノブはステアリング同様、全車で本革巻きとなる。トランスミッションはハイブリッド車では6速、ガソリン車では10速の、いずれもマニュアルモード付き。
センターコンソール前方には、メーカーオプションで「おくだけ充電」を装備することができる。左奥には、充電器用の電源スイッチも備えている。コンソール前方のUSB端子は、USB接続の動画/音楽再生時入力用&給電機能付き。SDナビ、ディスプレイオーディオのどちらにも備わっている。
ガソリン車には、パワートレインやエアコンを統合制御するドライブモードセレクトを搭載。「ECO/NORMAL/SPORT」の3段階に切り替えられる。ハイブリッド車には、ドライブモードセレクトに加え、「EVドライブモード」も搭載。電動パーキングブレーキは全車に標準で備わる。