【試乗】新型レヴォーグに公道で初乗り! アイサイトX付きのSTI Sportが走りも静かさも乗り心地でもベストバイ (2/4ページ)

アイサイトXの制御は適切かつ確実!

 が、そんなことだけに感動している場合じゃない。さっそく、首都高名物の渋滞に遭遇。ここでいよいよ新型ステレオカメラと前後左右4か所に配置されたレーダー、リヤソナー、電動ブレーキブースターによる、アイサイトXの、0~50km/hで可能となる渋滞時ハンズオフアシストを体験。ちなみに渋滞追従機能&停止保持機能付きACCとは、完全に停止したあとも、ペダルまたはスイッチ操作不要で自動再発進してくれるところが違いであり、先進的便利さと言える。

 ハンズオフOKの制御中はアイコンが青になり、視覚的にも安心感がある。とにかく、制御は適切かつ確実で、減速、追従性能、レーンキープ機能も完璧。渋滞が苦にならない、どころか楽しくなるほどだった。これならペットボトルの蓋を開けられるし、サンドイッチを食べることだって安全にできるではないか。もっとも、しっかり前を見ていることが前提で、横見をしていると、カメラが監視しているため、警告後、ハンズオフアシスト機能はキャンセルされる。

 3D高精度地図ユニット、GPSだけでなく、準天頂衛星による運転支援は、自動車専用道路でのカーブ前速度制御も行う。一般的なACCはカーブだろうが料金所だろうが、設定した速度、または前車に追従した速度で突っ込み、前車がいない場合は思わずブレーキ!! となったりするのだが、アイサイトXは侵入するカーブの曲率に合わせた速度に制御(減速)してくれるから安心だ(減速制御してくれないカーブは、その速度で曲がれるということ)。

 それは料金所でも同様で、3D高精度地図ユニットが料金所まで読んでいるため、料金所手前の適切なタイミングでETCゲートを通過できる速度まで減速、制御。そして料金所通過後の再加速も、歯がゆさなしの勢いだから、アクセルの踏み増しをすることもないのである。つまり、アイサイトXを一度セットしてしまえば、自動車専用道路では追加の操作不要ということだ。

 クルージング中はエンジンのトルクアップによって、ほぼ1500回転以下で走っているシーンがほとんどとなるため、アイサイトXに守られた、静かで快適すぎるドライブを味わせてくれる関越道、上信越道では、アイサイトVer.3から定評ある、車線のど真ん中を走るレーンキープ性能とともに、アクティブレーンチェンジアシストをリアルワールドで実体験。常時、メーター内にレーンチェンジの可否を示す表示があるのも安心で、レーンチェンジが可能になると、可能な車線(左右)が表示され、普段は自動で戻らないウインカーレバーを最後までカチッと倒すことで、自動レーンチェンジを開始。終わるとウインカーが自動で戻る仕組みとなっている。ここで感動できるのが、まるで運転の達人、スーパーテストドライバーがレーンチェンジを行ったかのようなスムースさと「おつり」のなさ。下手にレーンチェンジを行うと、揺れ戻しりのような「おつり」が発生したりするが、それがまったくない。後席同乗者にレーンチェンジしたことを気づかせないほどの優秀な自動レーンチェンジ制御と言っていい。クルマ酔いしやすい同乗者、ペットにも優しいはずだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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