【試乗】「XC60 B6」「V60 B5」2台のR-Designにボルボの「安全性の次」が見えた! (1/2ページ)

ISGMを備えるマイルドハイブリッド仕様

 2017〜2018年度にXC60で、2018〜2019年度にはXC40でと2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーの本賞に輝いたボルボ車。2010年に中国の吉利汽車の資本傘下に入ると潤沢な開発予算に支えられ、ボルボ車の性能、デザイン、先進性などを大幅に高めることに成功している。さらにEV先進国である中国の市場ニーズも後押しとなり、ボルボ車は2025年までにグローバルの販売で50%をEVとし、残りをハイブリッド車とするという目標を掲げている。他社が言うのと違って、中国資本背景を考慮すると説得力があるアナウンスメントだったといえるのだ。

 今回は、そのボルボ社が2020年に導入した新モデル、XC60 B6 R-Design(デザイン)とV60 B5 R-Designに試乗した。

 ここでいうB6やB5というグレーディングはエンジンの仕様、出力差によって位置付けられている。B5はGen3 Driveガソリンターボエンジンを搭載し250馬力の最高出力と350N・mという最大トルクを発生させられている。一方、B6はB5相当のパワーユニットに電動スーパーチャージャーを追加し300馬力の最高出力と420N・mという大トルクを発揮する仕様に高められている。

 B6、B5は共に2リッター直4のガソリンエンジンで、48VのISGM(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター・モーター)を備えるマイルドハイブリッド仕様となっているのだ。ジェネレーターモーターは最高出力10kW/3000rpm、最大トルク40N・m/2250rpmという出力スペックを持ち、ベルト駆動で回生とアシストを行う。EV走行が可能なほどのパワーは持ち合わされていないが、加速時もエンジン出力アシストによる燃費抑制効果や、気筒休止エンジンを素早く起動させるのに好都合なのだ。ISGはすでにメルセデス・ベンツ車も採用しており、内燃機関を電動化するための一手段としてすでに実績を気付きつつあるのだ。

 さて試乗してみよう。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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