安さが取り柄だった「コンパクトカー」の常識を変えた「偉大なる」6台 (2/2ページ)

燃費や走行性能が評価されたコンパクトモデルも存在!

4)マツダ・デミオ(3代目)

 マツダの3代目デミオも記憶に残る、よくできた国産コンパクトカーだろう。2007年ワールドカー・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、2007年欧州カー・オブ・ザ・イヤーで2位という、日本車のコンパクトカーとしては華々しい受賞歴を持つ1台。とにもかくにも、国産コンパクトカーとして欧州車に迫る走行性能を備え、2011年にはスカイアクティブテクノロジーをいち早く採用。13-SKYACTIVモデルは直噴エンジン、アイドリングストップなどを採用し、10・15モードながら30.0km/Lの燃費性能を実現している。

5)スズキ・スイフト(2代目)

 2代目のスズキ・スイフトも国産コンパクトカーの歴史に残る名車といっていい。それまでの軽自動車ベースから、いきなり小型車専用プラットフォームを用い、国内の工場ではもちろん、ハンガリーの工場でも生産され、走行テストを繰り返した欧州でも大ヒット。その走りは当時として、国産コンパクトカーとしては飛びっきりの欧州車に迫る走行性能が売りだった。とくにスイフトスポーツはホットハッチと呼べる性能、ドライブフィールの持ち主で、走りにこだわるユーザーにウケまくったのである。

6)トヨタ・アクア

 最後に紹介するのは、今でも健在な、トヨタ・アクア。国内の発売は2011年で、すでにプリウスはあったものの、ハイブリッド専用の5ナンバーサイズのコンパクトカーという思い切ったコンセプトが新鮮だった。一時は世界最高燃費を誇り、エコに感心の高い世界のユーザーをアッといわせ、受け入れられた(2013年にはJC08モードで37.0km/Lを達成している)。

 もちろん、日本でも乗用車販売台数No.1の座の常連となった。初期型の乗り心地は燃費を優先するあまり、踏面の硬いころがり抵抗命!のタイヤを装着していたこともあって、ファミリーカーとしてはかなり固めだったものの、のちに改良されている。2020年末の9年目を迎えた時点でも、依然、人気の衰えない、継続販売され続けている長寿モデルでもある。

 ここで紹介した国産コンパクトカーとして歴史に残るモデルたちは、アクアを除いていまでは中古車でしか手に入らないが、いまでも十分にエポックメイキングな魅力を伝えてくれると思える名車といっていいだろう。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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