世界的な電動車の促進には「きな臭い」裏事情が見え隠れ! 日本メーカーの「高効率エンジン」が標的になる可能性も (1/2ページ)

海外では自動車製造反対といった過激なデモも行われている

 菅首相が2050年までに脱炭素社会の実現を表明し、その流れで2030年代前半までにガソリン車の販売禁止を日本政府が進めようとしている。すでにヨーロッパを中心に、日本政府が表明するはるか以前より同じようなことを表明する国々は多かった。先進国でいままでアンタッチャブルといってもいい状態だったのは、日本とアメリカぐらいであったから、まさに“ようやく”と言ってもいいのだが……。

 日本もようやく重い腰を上げたとして、それ自体を否定する報道などはないし、筆者も否定するつもりはない。それは“脱炭素社会”や、“電動車の普及”というものが、地球環境の破壊を抑制する効果のある“善行”であればこその話。欧米において10代などの若者が、脱炭素社会の実現などを訴えてデモ行進する姿はインパクトが強く、そのような行動をとる若者は心から気候変動を心配して行動しているものに間違いないのは確かである。しかし……。

 2019年初秋にIAA2019取材のためにドイツ・フランクフルトを訪れた。プレスデー初日に会場入口に行くと環境保護団体が“クルマは害悪”みたいな街頭活動を展開。地元テレビ局では某自動車メーカーへ、より地球環境に良くないとして、SUVの生産および販売をやめるように環境保護団体が抗議したというニュースが流れていた。取材が終わりホテルに帰るときには、駅前近くで若者が「クルマ(化石燃料車?)を作るのをやめろ」みたいな抗議活動をしていた。いずれも若い人が熱心に参加しているのだが、筆者はなんともいえない違和感を覚えてならなかった。

 2000年ごろから、IAAは隔年開催なので1年おきの9月にフランクフルトへ訪れているが、ここ最近は気温の上昇の激しさを身に染みて感じている。ここ数年はホテルに扇風機が置かれるようになったり、フランクフルト駅前に開業した日系ホテルはエアコン付きをアピールしている(エアコン付きのホテルは少ない)。筆者は暑がりなので、2019年に訪れたときは日中の暑さ(夜はそれでも下がる)はしんどかった。ドイツあたりでも今後数年で家庭用エアコンが爆発的に売れ出すようになるのではないかと強く感じた。

 かねがね、ドイツのメルケル政権は自動車業界に近いとも言われており、政治闘争の材料として環境問題が使われているのではないかとも噂されている。筆者が目撃したデモ活動も、若者メインにしては主張がかなり極論にも見え、そしてアグレッシブな活動にも見えてしまい、それが違和感につながっていた。

 そして今回の日本での動き。そもそも、日本政府だけ、または菅首相の独断で“脱炭素社会”などという言葉が出てくるとは思えない。政府もしくは菅首相に“入れ知恵”をした人物がいたのではないかと考えていたら、「ある人物が菅首相と頻繁に“会食”しているのが、新聞の首相の1日のようなコーナーからもわかっています。この人物がどうも入れ知恵をしたようなのですが、その背景や目的はよくわかりません」と事情通が話してくれた。

 脱炭素社会も含め、車両電動化の話についても、自動車や鉄鋼など関係業界も含めて“寝耳に水”状態で大騒ぎになったとのこと。つまり、現状では業界と煮詰めたような、具体的なロードマップはないようなので、“言ってみただけ”に近いとも言えそうなのである。

 しかも、今回の話の流れが、「日本ももっと地球環境保護に積極的になろうよ」というだけ、というよりはそれがメインどころか“オマケ”に過ぎないかもというのである。「今回“入れ知恵”をしたとされる人物があてはまるかは不明ですが、自動車産業など日本の基幹産業を衰退に持ち込もうとする一派が、日本に“環境保護にもっと真剣になれ”とか、“化石燃料依存の発電ではなく、再生可能エネルギーをもっと活用しろ”と騒いでいるのではないかとも言われています」とは前出の事情通。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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