パワーだけじゃダメだった! 普通車に混じって高速を走っても「怖さ」を感じない軽自動車とは (1/2ページ)

緊張感をなくすためには着座位置や視線の高さがポイントになる

 最新の軽自動車は、とくにターボモデルであれば、高速走行、ロングドライブ、フル乗車を余裕でこなしてくれるクルマも少なくない。ダウンサイジングで、一家に一台のファーストカーとして使い、高速走行、ロングドライブの機会が多くても、不満なく乗れるということだ。ターボ車の場合、パワーは上限64馬力に制限されてはいるものの、10kg-m前後のトルクは、1リッターNAエンジン並み(トヨタ・ルーミーは3気筒1リッターで9.4kg-m)であることも、軽ターボの動力性能のゆとりを語るうえでの大きな魅力、ポイントとなる。

 ただし、いかにターボパワーに余裕があっても、すべての軽ターボモデルが” 普通車に混ざって走っても怖くない”というわけではない。じつは着座位置、視線の高さがポイントになったりするのである。つまり、そもそも軽自動車は車体が小さく、それが高速走行での怖さにつながりやすく、クルマ着座位置、視線が低いと、なおさら横をトラックが走り抜けるようなシーンで、けっこうな緊張感を覚え、怖ささえ感じてしまうというわけだ(ここでは低重心による安定感は別に考える)。

 しかし、スーパーハイト系やハイトワゴン系軽自動車のような、ミニバン的に着座位置、視界が高いクルマだと、視覚的な緊張感、怖さが一気に低減するのである。ホンダN-BOXなどのスーパーハイト系軽自動車を運転していて、車体が実際のサイズ以上に大きく感じられる……であれば、それがプラスに作用する。

 では、具体的にどんなクルマが普通車に混ざって走っても怖くない! 高速走行も余裕の軽自動車なのか。ターボで、車高、着座位置、視界の高いクルマのなかでも、前後スタビライザーが付いていると、さらにいいのは当然だ。

 たとえば、スーパーハイト系軽自動車に比べ、横風に強いハイトワゴン系であれば、スズキ・ハスラーターボ、スズキ・ワゴンRマイルドHVターボ、ホンダN-WGNがその筆頭だ。

 ハスラーターボについては、去年の冬、東京〜軽井沢間の約360kmを往復し、上信越道碓井軽井沢ICからプリンスどおりに至るバイパスの急こう配の峠道さえ走行しているのだが、そのゆとりあるパワー、ACCの機能、フラットかつ上質な乗り心地の良さ、巡航時の車内の静かさ、安定感の高さ、そして冬の軽井沢の積雪路でも安心な走破性の高さ(スノーモード付4WD+スタッドレスタイヤ装着)から、3名乗車でもストレスなく走れ、軽井沢到着時、帰宅時ともに、ロングドライブによる肉体的、精神的疲労度は最小限。帰宅後、元気ハツラツで、すぐにハスラーターボの試乗記を書くことができたほどだった。

 スズキ・ワゴンRも、洗練されたインテリア、高めのすっきりとした視界の良さ、中高速域で威力を発揮するターボパワー、トルクによって、じつに快適かつ安心して高速走行が可能となる。エンジンを高回転まで回しても、不快なノイズを発しないのも、聴覚による疲労を高めないメリットといえる。

 ホンダN-WGNに至っては、走りの上質さ、乗り心地の良さ、ホンダならではのこだわりが生きた安定感など、コンパクトカーいらずの実力を備え、そのターボモデルなら、まさにオールマイティに使える1台と言っていい。電子パーキングブレーキ、停止保持機能付き全車速域追従型のACC(アダプティブクルーズコントロール)、オートブレーキホールド機能の装備も、日常から高速道路での渋滞時まで、威力を発揮してくれる神器と言っていい。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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