どうした「英国車」! ジャガーやロールス・ロイスなど伝統のブランドが軒並み「他国資本化」した理由 (1/2ページ)

すべてのブランドが実質的には英国企業ではない

 英国といえば、ロールスロイス、ベントレー、アストンマーチン、ジャガー、ランドローバー、そして近年ではマクラーレンなど、超高級ブランドが名を連ねている。また、庶民派向けではMINIの存在も忘れてはならない。

 ところが、こうしてブランドのすべてが企業に対しての資本で見ると、ドイツ、中国、または欧米の投資ファンドなどであり、実質的には英国企業ではない、という印象がある。

 このような状況は、第一期として1980年代から1990年代にかけて、日系メーカーがグローバルで事業を拡大するなかで起こった。製造コスト管理の効率化と厳格化が問われるようになり、いわゆるバックヤードビルダーという表現があるような『匠の技』に対する非効率性から脱却が英国メーカーにとって大きな課題となった。

 さらに、2000年代に入り、BRICsと呼ばれるブラジル、ロシア、インド、中国等の経済新興国の経済発展をきっかけとして、自動車産業界では世界規模での事業再編が急激に進んでいった。

 そのなかで、まずは英国ブランドとして、製造拠点は英国内に残すものの、エンジンやコンピュータ関連のITデバイスなどは英国外で生産する体制が重視されるようになる。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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