フェラーリの車名の「数字と英字」は時代と共に「意味が変わる」! これを知れば「ガチ勢」確定【黎明期〜70年代編】 (1/4ページ)

1気筒あたりの排気量がそのまま車名に

 ふんふん、今回のお題はフェラーリのネーミング、つまり車名でございますね。たぶん担当様がSF90ストラダーレのキャプション(画像とセットになっている短い原稿のことね)でも書いている時に突然思いついたのですよね。でもフェラーリ・ブランドで最初のクルマが誕生したのって1947年なのですよ。「125 S」っていうヤツでしたね。どっちから解説するんですか。過去と現在と。いずれにしても、これからやろうとしていることで、キーボード叩く指が震えていますわ。まあ比較的規則正しい昔のフェラーリからいきますかね。

125 S

 1970年代頃までのフェラーリの車名は、比較的単純です。基本は数字+サブネーム。そのサブネームもきちんとした意味があるものがほとんどですから。たとえば最初の125 Sは、1気筒あたりの排気量が125ccで、つまり当時のフェラーリは12気筒エンジンしか持っていなかったので、総排気量2リッター(正確には1902cc、以下同)のスポーツカー(=S)。


125 F1

 ならば続いて1948年に登場した「125 F1」は、同排気量かと思いきや1496ccと、この頃からすでにフェラーリのわがままが始まっています。


166 MM

 もう少し初期のモデルを見てみましょう。同じ1948年に誕生した「166 F2」はもちろん当時のF2用マシンで、排気量は166を12倍した2リッター。

 そしてこの年の作で忘れてはならないのは、「166 MM」。サブネームに伝統のロードレース、ミッレミリア(=MM)の名前が掲げられました。ここではベルリネッタ・コンペティション、つまり競技用のクーペモデルというサブネームも誕生しています。


166 インテル

 この166 MMの活躍によって、フェラーリが初めてプロダクションモデルとしてセールスを始めることができたのが「166 インテル」。インテルとは英語にすればインターのことで、フェラーリからはもちろん2リッターのV型12気筒とシャシーのセットが販売され、カスタマーはカロッツェリアと呼ばれる工房にそれを持ち込み、好みのボディを組み合わせるのが一般的でした。


275 F1/340 F1/375 F1

 1950年には「275 F1」、「340 F1」、「375 F1」とF1のニューモデル軍団も登場しますが、車名の成り立ちは1気筒あたりの排気量とすべて一緒。つまり375 F1は4.5リッター仕様のF1ですね。



山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

新着情報