冷却水だけじゃなくオイルも冷やす必要あり! 見落とされがちだけどじつは重要はクルマの「油温」 (2/2ページ)

サーキット走行では油温の上昇を抑える対策が必要

 またオイルには潤滑作用の他にも冷却作用、密閉作用、洗浄分散作用、応用分散作用、防錆作用などの役割がある。

 油温が上がりすぎると、このうちの冷却作用の効果が薄れ、オーバーヒートにつながる。

 ちなみに普通のクルマで高速道路を100km/hぐらいで巡航しているときの油温は、90℃~105℃が標準。このぐらいに収まっていれば、十分適正温度の範囲内なので大丈夫。

 ただサーキット走行をするとなると話は別。サーキットで全開走行を続けていると、油温は120℃、130℃あるいはそれ以上に上昇することも!

 そうなると油膜の保持が難しくなるし、オイルの寿命も極端に低下するので、アフターパーツのオイルクーラーを装着し、油温の上昇を抑える対策が必要(MAX130℃)。これはエンジンオイルだけでなく、ミッションオイルやデフオイルも共通だ。

 一方、油温は低すぎても問題がある。低温のオイルは粘度が固く抵抗が大きい。真冬の朝イチ、MT車のギヤが入りにくいのは、ミッションオイルが冷えていて固いからだ。

 また、油温が低すぎるとオイルに混入した水分などが蒸発せず、オイルを希釈し劣化させる原因にもなる。

 したがって、冬場は暖機走行(停車した状態での暖機運転ではダメ)をしっかり行なって、油温を適温まで上げてあげることが大事になる。

 あまり知られていないかもしれないが、そうした油温管理が楽になるように、じつはどのクルマにも水冷式のオイルクーラーがオイルフィルターの装着部についている。

 水冷式なので冷たいときは温まりやすく、熱いときも温度を一定に保ちやすい特性があるが、スポーツ走行のように高負荷・高回転が続く状況は苦手なので、サーキットを走る人は空冷オイルクーラーを追加したほうが安心だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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