大メーカーを「救った」「変えた」! たった1台で革命を起こしたクルマ3選 (2/2ページ)

今では革命児的扱いでも当時はキワモノだった

2)トヨタ・プリウス(初代)

 今ではクルマに興味のない人でも、ハイブリッドカーの代名詞として浸透している感のあるトヨタ プリウス。しかし1997年に初代モデルが登場した時点では当然ながら量販市販車初のハイブリッド車ということで、今のような人気のモデルではなく、“新しいもの好きが買う特殊な車両“というイメージが強かった。

 実際のところ、5ナンバーサイズのセダンとしては215万円という価格は高額で、同時期に販売されていた3ナンバーセダン(2.2リッター)のカムリグラシアの218.8万円に匹敵するものだったのだ。

 また、当時のプリウスは今のハイブリッド車のようにパワフルなモーターで発進時に強力にパワーをアシストしてくれるようなものでもなく、動力性能的にも平凡な仕上がりだったため、28.0km/L(デビュー時のカタログ値)という驚異的な燃費性能以外は一般ユーザーによって魅力的な点は少なかったと言える。

 実際、初代プリウスは販売台数ランキングのトップ10に入ることは一度もなかったのだが、それでもトヨタは改良を重ね、2000年のマイナーチェンジでは車両型式がHNW10からHNW11に変わるというフルモデルチェンジに匹敵するレベルで変更をするなど、大切に育ててきた。

 その結果、現在ではトヨタのラインアップのほとんどでハイブリッド車が選べるようになり、プリウスもハイブリッド車の代名詞として認知されるまでになったというワケである。

3)日産ノートe-POWER

 比較的安価な価格と広い室内でスマッシュヒットを記録していた2代目ノートに、2016年11月のマイナーチェンジのタイミングで追加された「e-POWER」モデルは、エンジンは発電専用とし、100%モーター駆動の電気自動車的な走り味が楽しめるクルマとして瞬く間に大ヒットを記録した。

 日産はそれ以前も量販電気自動車であるリーフをリリースしており、「電動車=日産」というイメージは持っていたが、このe-POWERの大ヒットによってそのキャラクターをより強固なものにしたと言えるだろう。

 なお、e-POWER追加後のノートは約30年振りに月間販売台数ランキングのトップを獲得し(2016年11月度)、2017年度の販売台数もコンパクトセグメントで20年ぶりの1位となるなど破竹の快進撃をみせた。

 そして2018年2月にはミニバンであるセレナにもe-POWER仕様が追加されるが、これは当初予定されておらず、ノートe-POWERの大ヒットによって急遽搭載が決定したとも言われている。それほどにノートe-POWERが日産に与えた影響は大きかったと言えるだろう。


小鮒康一 KOBUNA KOICHI

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愛車
日産リーフ(2代目)/ユーノス ロードスター/マツダ・ロードスター(2代目) /ホンダS660/ホンダ・オデッセイ(初代)/ 日産パルサー(初代)
趣味
長距離ドライブ
好きな有名人
ザ・リーサルウェポンズ

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