ズバッと新車販売を斬る辛口ジャーナリスト渡辺陽一郎さんは予算は30万円が基本だった!【みんなの愛車遍歴 Vol.3】 (2/2ページ)

ついに輸入車デビュー! けどそれも30万でGET

 3台目は初代フォルクスワーゲンゴルフGTDだ。初代ゴルフのモデル末期に少数が輸入されたディーゼルターボで、1984年式だった。購入したのは1991年で、やはり30万円の中古車だ。

 購入の決め手は、5つの「初めて」を体験できることだった。それまで所有したカローラとスターレットは日本車だから、ゴルフは初めての輸入車になる。同様に左ハンドル、前輪駆動、ディーゼル、ターボと、いろいろな経験ができる。

 さらに1991年に購入して3年間所有すれば、1994年になる。初代ゴルフの誕生は1974年(日本への輸入開始は1975年)だから、1994年には20周年を迎える。初代ゴルフは日本でもヒット商品になり、日本車の開発に多大な影響を与えた。そのような初代ゴルフの結論を、20年後の日本で出してみたいと思った。

 1994年の時点では3代目ゴルフが販売されていたが、初代ゴルフは空間効率を含めて小型車のベストだと思った。あれから30年近くが経過した今でも、その気持ちは変わらない。正確には、フルモデルチェンジを重ねる度に、ゴルフは通俗的になっていく。せめてポロをもう少し魅力的に仕上げて欲しい。

 そして初代ゴルフGTDのタービンが不調になった時、思い切って足まわりを含めて主要なパーツを交換した。ショックアブソーバーは、初代ゴルフGTIに純正装着されていたビルシュタイン製の「ベリーハード」であった。

 修理を終えて運転を開始した時、思わず歓喜の叫び声を上げた。走りが見違えるほど良くなっていたからだ。「ドイツ車はボディがしっかりしているから、パーツを交換すると走りが蘇る」という話は聞いていたが、それはまさに真実であった。

 私が執筆させていただいている原稿には、割安感とか買い得度に関するものが多いが、私生活はまったく逆のようだ。今それに気付いた。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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