まるでベンチャー企業のようなフットワーク! トヨタ圧巻のEV拡大戦略がもつ重要な意味 (2/2ページ)

トヨタのフットワークの軽さはベンチャー企業並み

 さて、EVといえば、2010年代に大手メーカーでは日産、またベンチャー系ではテスラという2大勢力がグローバルで足固めをしてきた。

 それが政治主導で市場の様相は一変し、欧州ではメルセデス・ベンツ、ボルボ、ジャガーなどがEV専業メーカーへの転換を宣言したほか、アメリカでもGMとフォードのEVシフトが加速している。現在の自動車市場全体を見れば、販売台数世界第一はトヨタだ。トヨタブランドとして170以上の国や地域で約100車種を、またレクサスでは90以上の国や地域で約30車種を販売している。

 そうしたなかで、トヨタの戦略はたとえ早期にEV350万台体制を敷くにしても、国や地域の社会情勢に応じて今後もさまざまな原動機を用いたクルマを作り、そして売っていく責務がある。見方を換えれば、母体が大きく、また事業の多様性があるからこそ、トヨタが今回のようなEVに関する大幅な事業方針変更をする必要性があると言えるだろう。

 さらにいえば、やはりトヨタは創業者系の経営者による最終判断が、他の日系メーカーと比べると早いという企業としての特色もあると思う。一般的に、トヨタは巨大企業だから動きがスローと思っている人が少なくないかもしれないが、今回のEVシフトを含めて、近年の経営判断はまるでベンチャー企業かのようにフレキシブルに進められている印象がある。

 さあ、トヨタの次の一手は何か?


桃田健史 MOMOTA KENJI

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愛車
トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
趣味
動物たちとのふれあい
好きな有名人
聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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