一般人は目が点のド迫力定番カスタム「シャコタン」「インチアップ」「リヤウイング」! 街乗りで「見た目以外」の意味はある? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■定番とされるカスタムがもたらす効果を解説

■最近は純正状態でもカスタム済みのようなクルマが多い

■カスタムは手を入れただけメリットもあるが、同時にデメリットも増えやすい

定番カスタムたちに街乗りで効果や意味はあるのか

「一得一失」という言葉があるとおり、世の中の大抵のものはトレードオフの関係にある。利便性とかっこよさ、高級感と軽快さ、速さと快適性、居住性と運動性能……、何かを得れば何かを失う。

 そうしたことを考えると、シャコタン、インチアップ、リヤウイングといったドレスアップの定番も、何かを妥協・犠牲にすることで、ルックス面で恩恵を受けられていると考えたほうがいい。

 シャコタンの場合、クルマが低くなるからスタイリッシュに見える。とくにタイヤとフェンダーの隙間が小さくなるのが見た目上の大事なポイントだ。また重心が低くなるので、安定感は確実に増す。

 その代わり、サスペンションストロークが短くなるので、固いスプリングを入れる必要があり、ノーマルよりも乗り心地は悪くなる。またロードクリアランスが減るので、段差を越えるのが苦手になり、ちょっとしたスロープでもバンパーの下端や底を擦るリスクが増える。

 インチアップはブレーキサイズを変えない限り、ほとんど機能的なメリットはない。ホイールが大きくなるぶん、バネ下重量が重くなって、乗り心地、そしてタイヤの路面追従性が悪くなる。サーキットのようにフラットな路面なら、タイヤサイズを大きくすることで、グリップ力アップのメリットがあるが、ストリートでは雨の日のハイドロプレーニング性能も低下し、タイヤ代が高くなるのでランニングコスト的にもマイナス。

 F1マシンのタイヤも今シーズンから13インチから18インチにインチアップされたが、これはピレリが見た目上のイメージアップをはかるために望んだだけで、グリップも下がり、重くなるだけでパフォーマンス的にはデメリットしかないと、反対していたエンジニアも多い(最終的に、ワンメイクタイヤで、全車一斉に18インチ化するレギュレーションだから採用された)。

 最近は、純正装着タイヤでも商品力重視が故にロープロファイルタイヤを履いているクルマも目立ち、そうしたクルマはむしろインチダウンをすすめたいぐらいだが、「太いタイヤ=カッコいい」と刷り込まれている人は、インチアップの魅力に抗えない!?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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