鮮烈な色だけにクルマそのものも個性派だらけ! まぶしいほどの「黄色」が印象的なモデル5選 (2/2ページ)

レースシーンで活躍したことに由来しているボディカラーも

 3台目は、日本では赤のイメージが強いですがじつは、コーポレートカラーは黄色というのが意外なフェラーリ。とくに、今でも296GTBの黄色のボディカラー「GIALLO MODENA」にも名前が使われている、360モデナのイエローは鮮烈でした。

 フェラーリのコーポレートカラーが黄色だというのは、跳ね馬のエンブレムを見ればわかります。黄色がベースになっていますね。なぜ黄色が使われたのかは明かされていませんが、フェラーリの本拠地マラネッロのあるイタリアはエミリア=ロマーニャ州モデナ県の紋章も、黄色がベースの大部分を占めているので、何か関係があるのかもしれません。

 ちなみにこのエンブレムの跳ね馬は、第一次大戦で「撃墜王」と呼ばれ、国民的英雄となったフランチェスコ・バラッカ少佐の愛機に描かれていたトレードマーク、キャバリーノ・ランパンテ(跳ね馬)に由来しています。じつはそのバラッカ少佐が所属したスクーデリア91a部隊には、エンツォ・フェラーリの兄も所属しており、戦地で病死してしまったのでした。1923年にレースで初優勝したエンツォに、バラッカ少佐の母が息子の遺品としてこのキャバリーノ・ランパンテを授けたというエピソードが残っています。

 4台目は、F1をはじめとするモータースポーツ活動で培った技術を惜しげもなく市販車に投入し、多くのファンを獲得しているルノー・メガーヌR.S.イエロー。モータースポーツでのルノーといえば、イエローと水色のカラーリングが思い浮かぶと思いますが、メガーヌR.Sの中でもさらにハイパフォーマンスを突き詰めたTROPHYに設定されている特別なイエローが、ジョン シリウスMです。

 ルノーは1960年代からラリーやル・マンに参戦しており、1973年に世界選手権となった初めてのWRCで、圧倒的な強さを見せたアルピーヌA110が初代WRCチャンピオンに輝きましたが、この時のボディカラーはブルーでした。それが、苦戦を強いられつつも一歩一歩、ジャンプアップしていったル・マンでついに優勝した1978年、マシンは完全にイエロー一色に。そしてこの年でル・マンを卒業し、念願のF1参戦を決めたルノーのマシンも、やはりイエローが印象的でした。この時代のイエローはもう少しレモン色に近いような淡い色調で、今はもっと濃く深みのあるイエローになっていますが、長きにわたってルノー・スポールのトレードカラーとして愛されています。

 5台目は、アメリカで爆発的な人気が出たことから日本でも発売され、ポップでビビットなカラーバリエーションとタフな本格オフローダーのギャップに一目惚れする人続出だった、トヨタFJクルーザー。ドアが観音開きとなっている4人乗りという、一風変わったパッケージも個性的でした。

 そんなFJクルーザーの黄色は、サンフュージョンという原色系のソリッドなイエロー。ホワイトルーフとのコーディネートもオシャレで、今も中古車市場では引っ張りだこのカラーとなっているそうです。

 ということで、それぞれに少しずつ異なる鮮やかさが魅力的な、黄色いボディカラーが魅力的なクルマたちをご紹介しました。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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