クルマのボンネットの開き方は2種類ある! 「逆ワニ」タイプが消えて「ワニ」タイプが生き残ったワケ (2/2ページ)

後ろヒンジ式ボンネットはメンテナンス性に優れる

 さて、本題だが、最近めっきり見なくなったのが、この逆アリゲータータイプ、前ヒンジ方式のボンネットだ。なぜなのか? 考えられる理由を挙げてみることにした。要するに、前ヒンジ型と後ろヒンジ型のメリット/デメリットの比較になるのだが、突き詰めていくと、現在主流となっている後ろヒンジ型のほうにメリットがあるからだ。

 それは、バルクヘッド側にヒンジがあるため、ボディ前側からエンジンルームへのアクセス性に優れるということだ。とくにフロントまわり、ラジエターの前後に手が届くのは後ろヒンジタイプの特権だ。前ヒンジタイプでは、ボディ前側からエンジンルームにアクセスすることができず、サービス性の点で後ろヒンジタイプより劣っている。

 逆に、前ヒンジタイプの優れている点は、走行中にボンネットロックが外れた場合でも、風圧によってボンネットが開くこともなく、走行中の安全性が保たれる点にあった。これが後ろヒンジタイプだと、風圧によってボンネットがめくれ上がってしまい、結果、ドライバーの視界の妨げとなり、著しく安全性が損なわれてしまう不安要素があった。

 しかし、ドアロックの2重ロック機構と同じで、いわゆる「半ドア」の状態でもドアが開いてしまわないのと同じで、後ろヒンジタイプのボンネットも、ボディ前側に設けられたボンネットキャッチャーの構造が2重ロックタイプとなり、万が一、ボンネットの閉め方が悪くて半開状態となっていても、1段目でしっかりとロック機構が働いているため、風圧でボンネットが開いてしまうことはない。

 結果的に、この2重ロック機構の普及により、サービス性に優れた後ろヒンジ型ボンネットが主流を占めていくことになる。あと、前ヒンジタイプは、正面からの強い衝撃(衝突など)により、ボディ前部が大きく変形(ボンネットが押されるかたち)、あるいはヒンジ部が破損したような場合、ボンネットがフロントガラスを突き破って前席に飛び込んでしまうケースがあった。不謹慎な言い方だが、前ヒンジタイプのボンネットを「ギロチンボンネット」と辛辣に呼ぶ場合もあった。もちろん、こうしたことに対処するため、前ヒンジタイプのボンネットでは、バルクヘッド側にストッパーやガイドを設けて、ボンネットが車室内に飛び込まないような対策が施されたのも当然のことだった。

 いずれにしても、エンジンルームへのアクセス性のよさが重要視され、後ろヒンジタイプ(前開き方式)のボンネットが主流になってきたのが現状である。


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